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<登別>幸恵ノート、理解広げて NPO法人「知里森舎」理事長・松本徹さん(70)

2024-09-05 | アイヌ民族関連

犬飼裕一 有料記事

北海道新聞2024年9月4日 10:10

「社会科教員時代にアイヌ民族について仲間と学んだり、横山むつみさんの話を聞いたりしたことが今に至るきっかけになった」と話す松本理事長

【登別】「アイヌ神謡集」を著した登別出身のアイヌ文化伝承者、知里幸恵(1903~22年)の資料やエピソードを伝える「知里幸恵 銀のしずく記念館」(登別本町)。運営するNPO法人「知里森舎」は、神謡集の推敲(すいこう)過程が分かる「知里幸恵ノート」の復刻版を昨年末刊行し、今年は同館でノートの内容を学ぶワークショップや特別展を開催している。理事長で副館長の松本徹さんに、取り組みの意義や知里幸恵の言葉が多くの人を引きつける理由を聞いた。

■「アイヌ宣言で書かれた気付きは、100年たってもすがすがしく、重い」

 ノートには梟(ふくろう)の神の自ら歌った謡「銀の滴降る降るまわりに」など、神謡集に収められている13編の物語のローマ字筆記のアイヌ語と日本語の対訳などが幸恵の直筆でつづられている。江別市の道立図書館が所蔵する6冊中4冊を復刻し、解説冊子を加えた。

 「復刻は12年ぶり。知里森舎が(知里幸恵の功績を伝えてきたとして)北海道新聞文化賞を受賞したことがきっかけの一つで、幸恵のことをさらに知ってほしいと考えました。13編の物語の書き写しのほか、(幸恵に神謡集出版を勧めた言語学者)金田一京助に宛てたメモ書きなどが書かれており、幸恵の考えの一端が伝わってきます」

 「幸恵はノートに『ウポポ(歌)やリムセ(踊り)は何の訳かわからないものが多い』としながら、・・・・・

・・・・・

 <略歴>まつもと・とおる 1954年、登別市生まれ。弘前大卒業後、高校の社会科教諭として登別や室蘭などで勤務。幸恵のめいで銀のしずく記念館初代館長の横山むつみさん(故人)の声掛けで、2011年から記念館の活動に携わる。22年5月から知里森舎理事長。23年5月から記念館副館長。

 ※「リムセ」の「ム」、「モナシノウク」の「シ」と「ク」、「コタンコルカムイ」の「ル」はいずれも小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1058549/

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