日刊ゲンダイDIGITAL2024年10月11日 20時05分
「人権侵害の常習犯。議員になる資格はない」
自民党の杉田水脈・前衆院議員(57)=比例中国=を批判する研究者らが10日に国会内で開いた会見。呼びかけ人の前田朗・東京造形大名誉教授は、「(杉田氏は)さまざまな被害者を生み出してきた。社会への悪影響は計り知れない」と憤りの声を上げていた。
杉田氏はアイヌと在日コリアンを侮辱した投稿で、2023年に札幌、大阪両法務局から人権侵犯と認定されている。他にも性被害者を中傷する投稿に対し、自身のSNSで《いいね》を多用したとして被害者から提訴され、賠償命令を受けるなど、その言動については度々、差別主義者などと批判されてきた。
派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件では、政治資金収支報告書に1564万円の不記載があったことが発覚。石破茂首相(67=党総裁)ら執行部が裏金議員に対して次期衆院選で比例重複立候補を認めない方針を打ち出す中、党山口県連から公認申請のあった杉田氏の処遇が注目されていたのだが、10日までに杉田氏陣営から出馬しない意向を党に伝えてきたという。
■高市新党から出馬し、比例当選を果たす狙い!?
《当たり前。というか、本来であればとっくに辞職していておかしくない議員》
《比例でなければ当選していない議員。戦う前に逃亡したという事》
SNS上ではこんな意見が目立つが、その一方で、気になるのは党幹部が出馬辞退の「理由」として明かしていた言葉だ。
「杉田氏が来年の参院選へ立候補する意向を伝えてきた」
これが事実であれば、杉田氏は差別発言や裏金事件を猛省して衆院選の立候補を取りやめるのではなく、2025年夏にも行われる予定の参院選に出たいから、というわけだ。
だが、石破氏ら党執行部は参院の裏金議員についても厳正処分を下す方針を決めており、当然、比例立候補は無理だろう。さらに杉田氏は衆院の比例単独で当選を重ねてきた人物。自身が思うほど参院への鞍替えや国替えは容易ではない。
仮に参院の比例立候補が認められても、さすがに「特定枠」(政党が候補者を優先的に当選させられる仕組み)にならないだろうし、「非拘束名簿式」(名簿にあらかじめ当選順位をつけない)だから確実に当選できるわけでもない。参院選のハードルはかなり高い。
このため、右派や保守系からはネット上でこんな声も上がっている。
《石破自民が衆院選で議席を減らし、来夏の参院選までに新総裁が誕生。そこに「特定枠」でもぐりこむ考えだろう》
《高市新党から出馬し、比例当選を果たす狙いだな》
11日、X(旧ツイッター)を更新した杉田氏は《党の幹部とお話をして、次に繋がる選択をすることにしました》と投稿したが、果たしてその真意と思惑は……。
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右派や保守系の支持を集める杉田氏。●関連記事【もっと読む】『杉田水脈議員が“裏金”で通っていたスナックのママを直撃!赤旗に宛名ナシ領収書スッパ抜かれた』【さらに読む】『自民・杉田水脈議員に疑惑発覚!父親を政治団体の“名ばかり会計責任者”にしていた』などを取り上げている。