観光経済新聞2024年1月29日
「阿寒湖アイヌシアター<イコロ>」は、新演目「満月のリムセ」の特別プレ公演を2月11日に開催する。
北海道・釧路市(市長:蝦名大也)は、令和3~5年度の国のアイヌ政策推進交付金を活用し、釧路市阿寒町阿寒湖温泉に所在する「阿寒湖アイヌシアター<イコロ>」において上演する新演目「満月のリムセ」を制作しました。
新演目の制作は3年前からスタートし、令和3年度には準備として音楽や衣装製作などの文化面からのワークショップを実施し、関係者や演者の感覚の磨き上げに取り組んできました。令和4年度には、より実践に近い会議やワークショップを通じ、脚本の検討や舞踊、演技や音楽への感性を養い、今回の新演目制作を具体的に進めました。
スタートしてから3か年目の今年度、舞台映像や音楽などの演出制作に着手し、アイヌ文化の「ウレシパモシリ」の精神を表現する新しい演目が完成しました。
阿寒湖温泉に訪れるお客様が、この地で伝統の歌や楽器、踊りを通じてアイヌ文化の「優しさ」に触れ、多様性を受け入れる態度を重んじるアイヌ文化への理解や興味を深めていただけることを願い、その思いをこの新しい演目に込めました。
舞台、音楽や映像は、阿寒湖アイヌコタンのアイヌ民族の方々と親交が深く、アイヌ文化の舞踊や音楽に造詣の深いクリエーター陣に制作を依頼し、阿寒アイヌ工芸協同組合関係者や踊り手とのコミュニケーションを経て、新演目の舞台が完成しました。
今回は、新演目のナレーション・アドバイザーをご担当いただいた俳優の宇梶剛士氏をお招きし、完成をご披露する特別プレ公演を記載の要領で開催させていただきます。初めての公演をぜひご観覧、ご取材いただきたく、お願い申し上げます。
●新演目「満月のリムセ」について
テーマは「ウレシパモシリ」。優しさ溢れる多様性と調和の世界。
アイヌ文化に伝承された森羅万象との調和、「ウレシパモシリ(育てあう大地)」を物語のテーマとし、カムイ(神)もアイヌ(人)も手を取り合って融和することをメッセージ。
自然とともに発展したアイヌ文化の要素(歌や踊り、演奏)がストーリーの最高潮を彩ります。
●「満月のリムセ」特別プレ公演 実施概要
日時 2024年2月11日(日・祝)13:00受付開始/13:30公演開始
会場 阿寒湖アイヌシアター<イコロ>
〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7-84
https://maps.app.goo.gl/BxZGr7kxA4vK5jdT7
主催 釧路市
内容 ●開会
●主催者ご挨拶 釧路市副市長 吉田英樹
●来賓ご挨拶
●満月のリムセ プレ公演
●トークセッション
秋辺デボ氏 … 監修を担当
宇梶剛士氏(俳優) … ナレーション・アドバイザーを担当
藤間信乃輔氏(舞踊家) … 舞台監督・脚本・演出を担当
渡辺かよ氏 … アイヌ舞踊踊り手
●フォトセッション
秋辺氏・宇梶氏・藤間氏・渡辺氏および新演目「満月のリムセ」出演者
●閉会
申込 下記フォームまたはからアクセスし、お申込者様の情報をご送信ください。
【申込期限 2024年2月2日(金)17:00】
備考 ●当日の登壇者への個別取材ご希望の場合は、イベント事務局にメールでお問合せください。
●同日、阿寒湖アイヌシアター<イコロ>および、伝統・創造「オンネチセ」において、
様々な視点でアイヌ文化を発信するお祭り「ウタリタリ」を開催いたします。(入場無料)
<2月11日(日・祝)全体スケジュール>
09:30 カムイノミ @伝統・創造「オンネチセ」
※関係者のみの実施により一般の方の見学はできません。
10:00 ネイチャーガイド @屋外
12:00 振る舞いオハウ @伝統・創造「オンネチセ」
13:30 新演目「満月のリムセ」特別プレ公演 @阿寒湖アイヌシアター「イコロ」
15:00 朗読 知里幸恵最後の手紙 @伝統・創造「オンネチセ」
16:30 ウタリタリ @阿寒湖アイヌシアター「イコロ」
●「満月のリムセ」あらすじ
満月のリムセ ~月明かりにつながるやさしさを知った~
天地が創造された頃から、アイヌにとってこの世界はウレシパモシリ(育て合う大地)であった。
つまり、人(アイヌ)も動植物もカムイ(神)も万物は育て合い、調和し、手を取り合うものだった。
ある日、好奇心旺盛で少しやんちゃなキタキツネのカムイは「イレンカ」と名乗り、
いつものように地上の世界(アイヌモシリ)へ旅に出た。
四季の変化に彩られ、アイヌたちは自然の糧に恵まれて暮らしている。
今宵はアイヌたちの踊り比べ。イレンカも踊りに興味津々。
アイヌたちはイレンカを優しく招き入れ、時を忘れるような踊りが繰り広げられた。
踊ることだけが楽しいのではない。命の躍動が、つながり合うことが、幸せなのだ。
ウレシパモシリの心を確かめたイレンカは、後ろ髪をひかれつつもカムイモシリへと帰っていく。
空に浮かんだ大きな満月にアイヌたちはキタキツネのカムイをみとめ、オンカミ(感謝)するのであった。
●「満月のリムセ」見どころ
阿寒湖アイヌコタンの素材・技術 × 現代舞踊 × 映像・音楽制作陣 それぞれの交錯
Made in 阿寒湖アイヌコタン
出演者のアイヌ伝統衣装や、演目中に登場するサラニプ(かご)などは、
阿寒湖アイヌコタンの方々により一手一手魂を込めて製作されたもの。
また、演目中に使用されている樹々、水、風、結氷の音は、阿寒湖温泉で聞こえる音を実際に収録しています。楽曲に使われているトンコリ、ムックリ、イオンカの民族楽器の演奏も阿寒湖アイヌ民族による演奏です。
舞台音楽・映像
気鋭の映像クリエーターが阿寒湖アイヌコタンに何度も足を運び、阿寒湖アイヌコタンでのアイヌの人々への取材を重ね、迫力ある映像を制作。
また、音楽も阿寒湖アイヌコタンの人々や音の環境に魅了された川上ミネ氏が制作。地域の素材を大事にした映像と音楽が舞台を彩ります。
阿寒湖アイヌの伝統舞踊×現代舞踊
やんちゃで好奇心旺盛なキタキツネのカムイ「イレンカ」が地上に降り、
アイヌ民族との親交を通じ、「ウレシパモシリ」の心を感じるストーリー。
阿寒湖アイヌコタンに伝わるアイヌ古式舞踊と、ダンサーが演じる「イレンカ」の現代舞踊の交わりの様子が物語を展開させていきます。
●「満月のリムセ」公演予定
公演開始 2024年4月27日(土)予定
公演予定 毎日 15:00~15:30 ※2024年10月31日までのスケジュール
公演会場 阿寒湖アイヌシアター<イコロ>
料 金 おひとり様 大人(中学生以上)2,200円/小学生700円
運 営 阿寒アイヌ工芸協同組合
●「満月のリムセ」制作スタッフ
出演 阿寒湖アイヌシアター<イコロ>
アイヌ舞踊踊り手
現代舞踊ダンサー
監修 秋辺 デボ
脚本 澁江 俊一
舞台監督/脚本/演出 藤間 信乃輔
音楽 川上 ミネ
ナレーション・アドバイザー 宇梶 剛士
映像ディレクター 鈴木 陵生
アニメーションディレクター 水井 翔
サウンドデザイナー 清川 進也
伝統衣装・道具製作 阿寒湖アイヌコタンの皆さま
統括 森尾 俊昭