北海道新聞 07/22 05:00
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が21日、アイヌ民族への差別表現を放送した日本テレビの情報番組に放送倫理違反があったと発表したことについて、道内のアイヌ民族は「判断は妥当だ」と評価した。検証委は問題の根底に同局のチェック体制の甘さに加え、民族差別への理解の乏しさがあったと指摘。再発防止策の徹底を求める声も上がった。
「当然の結果。全国メディアが差別問題を理解していなかったことは大きな問題だ」。北海道アイヌ協会の阿部一司理事はこう受け止めた。同局は1994年にもアイヌ民族への差別表現を放送して問題に。「同じ過ちを繰り返さないよう再発防止に今度こそ真剣に取り組んで」と強調した。
アイヌ伝統歌ウポポを歌うマユンキキさんは「差別表現で今も傷ついている人がいる。検証委の発表で全ての問題が解決されたことにはならない」と指摘。インターネット上に現在もアイヌ民族の存在を否定するようなヘイトスピーチ(憎悪表現)が横行する。「問題から目を背けず、根本的な解決のために一人一人が想像力を働かせてほしい」と訴えた。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/569911
放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が21日、アイヌ民族への差別表現を放送した日本テレビの情報番組に放送倫理違反があったと発表したことについて、道内のアイヌ民族は「判断は妥当だ」と評価した。検証委は問題の根底に同局のチェック体制の甘さに加え、民族差別への理解の乏しさがあったと指摘。再発防止策の徹底を求める声も上がった。
「当然の結果。全国メディアが差別問題を理解していなかったことは大きな問題だ」。北海道アイヌ協会の阿部一司理事はこう受け止めた。同局は1994年にもアイヌ民族への差別表現を放送して問題に。「同じ過ちを繰り返さないよう再発防止に今度こそ真剣に取り組んで」と強調した。
アイヌ伝統歌ウポポを歌うマユンキキさんは「差別表現で今も傷ついている人がいる。検証委の発表で全ての問題が解決されたことにはならない」と指摘。インターネット上に現在もアイヌ民族の存在を否定するようなヘイトスピーチ(憎悪表現)が横行する。「問題から目を背けず、根本的な解決のために一人一人が想像力を働かせてほしい」と訴えた。(田鍋里奈)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/569911