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先住民への影響、アマゾンのダム計画

2011-12-15 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック ニュース December 14, 2011

 ブラジル政府は、アマゾン川の主要な支流シングー川に世界3位の水力発電ダムを建設する計画だ。最大出力1万1000メガワットの電力は、サンパウロを中心とする大都市圏の生活レベル向上と、成長著しい産業の巨大な電力需要を賄う目的で利用される。しかし、総工費170億ドル(約1兆3000億円)のベロモンテ(Belo Monte)ダムにより、住民2万人以上が立ち退きを強いられ、カヤポ族をはじめとする先住民が独自に育んできた文化が脅かされるとの批判も出ている。食料、水、移動手段をシングー川とその支流に依存する先住民にとって、生存権に直結する大工事だ。
 一方、官民の電力会社、建設会社が構成する企業連合ノルテ・エネルギアは、「間接的な影響は生じるが、住民に立ち退きを迫る予定はない」と断言する。
 写真家のクリスティーナ・ミッターマイヤー氏は、1990年代からアマゾン川流域に通い続けている。カヤポ族の村を小型機で年に2度ほど訪れ、文化やシングー川との結び付きを記録するという。写真はシングー川の支流、ペケーニョ川(Rio Pequeno)の浅瀬で遊ぶ子どもたち。カヤポ族にとって川との触れ合いが日常の一部であることを物語っている。
 「赤ん坊が生まれるとすぐ川に連れて行く」とミッターマイヤー氏は話す。「一日中、川で遊ぶ子どもの姿が見られる。彼らは小さいころから泳ぎがとても得意だ」。
 カヤポ族にとって、ダムの脅威は今に始まったことではない。シングー川のダム建設計画は以前にもあったが、1990年代には国内外からの抗議を受けて断念。カヤポ族が主導した反対行動もあった。しかし今回のベロモンテは、期待するほどの発電量は見込めないという批判もむなしく、計画が実行されるだろう。ブラジル政府が態度を変える様子はなく、反対されても工事は進めると関係者は話している。旺盛な発展を遂げるブラジルの電力需要を賄うにはダムが不可欠というのが政府の言い分だ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011121401&expand&source=gnews
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