北海道新聞12/25 17:00
1973年、米国中北部のサウスダコタ州ウーンデッド・ニーで、米政府の先住民族政策の不法性を訴えたインディアンによる武装占拠が起きた。
先住民族の自決を目指す組織アメリカインディアン運動(AIM)のリーダーとして71日間の闘いを主導した。1890年に大規模な先住民族虐殺があったウーンデッド・ニーは、抵抗の歴史を象徴する地となった。
1937年、ミネソタ州に生まれ寄宿学校で同化教育を受ける。10代で空軍に入隊し、横田など在日米軍基地で勤務したのが日本との深い縁の始まりだ。
除隊後、貧困から盗みに手を出し、獄中で民族や政治への意識に目覚める。78年、反核や平和、環境保護などを訴え世界を駆け巡る「セイクレッド(聖なる)・ラン」を始めた。
放射性廃棄物貯蔵施設の計画が撤回される前の宗谷管内幌延町など、道内にはたびたび足を運び、アイヌ民族と連帯した。
93年、国際先住民年を記念し日高管内平取町二風谷で開かれた「二風谷フォーラム」に参加した際に取材する機会を得た。
「大地と人間は一つのもの」という先住民族の思想を説き、「アイヌ民族を同化しようとした日本は戦後、そのまま米国に同化された」と話した言葉は、痛切に耳に響いた。
その後も、広島・長崎、米軍普天間飛行場の移設問題に揺れる沖縄、原発事故のあった福島などで、核のない平和な世界を願う人々との交流を続けた。
米先住民族には、7世代先の子孫のために生きる伝統があると語っていた。母なる海や大地を傷つけ、汚す軍事基地や核に対する警鐘でもあったと思う。(論説委員 蛭川隆介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/153440
1973年、米国中北部のサウスダコタ州ウーンデッド・ニーで、米政府の先住民族政策の不法性を訴えたインディアンによる武装占拠が起きた。
先住民族の自決を目指す組織アメリカインディアン運動(AIM)のリーダーとして71日間の闘いを主導した。1890年に大規模な先住民族虐殺があったウーンデッド・ニーは、抵抗の歴史を象徴する地となった。
1937年、ミネソタ州に生まれ寄宿学校で同化教育を受ける。10代で空軍に入隊し、横田など在日米軍基地で勤務したのが日本との深い縁の始まりだ。
除隊後、貧困から盗みに手を出し、獄中で民族や政治への意識に目覚める。78年、反核や平和、環境保護などを訴え世界を駆け巡る「セイクレッド(聖なる)・ラン」を始めた。
放射性廃棄物貯蔵施設の計画が撤回される前の宗谷管内幌延町など、道内にはたびたび足を運び、アイヌ民族と連帯した。
93年、国際先住民年を記念し日高管内平取町二風谷で開かれた「二風谷フォーラム」に参加した際に取材する機会を得た。
「大地と人間は一つのもの」という先住民族の思想を説き、「アイヌ民族を同化しようとした日本は戦後、そのまま米国に同化された」と話した言葉は、痛切に耳に響いた。
その後も、広島・長崎、米軍普天間飛行場の移設問題に揺れる沖縄、原発事故のあった福島などで、核のない平和な世界を願う人々との交流を続けた。
米先住民族には、7世代先の子孫のために生きる伝統があると語っていた。母なる海や大地を傷つけ、汚す軍事基地や核に対する警鐘でもあったと思う。(論説委員 蛭川隆介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/153440