程度の差こそあれ、人生は冒険である。
ゆえに、帰る家そのものは安息の居場所であり
おうちに冒険を求める必要はない。
心身をリセットするにふさわしい機能と防御の安定性が第一だ。
素材は機能性に優れ、形はシンプルなのがよい。
機能的な素材とは
石(人力で運べる程度のサイズ)
木(天然乾燥、またはそれに準じたもので、水分は抜けているが精油成分は保っているもの)
願はくば、土台に栗 水場に杉 柱にひのき 梁に松 他 樫やけやき。
布(日本においては吸湿と乾燥=透湿に優れた、大麻、亜麻など)
紙(樹皮の不織布ともいえる和紙)
他植物 ヨシ 竹 い草 マコモなど
土 粘土 砂
家を建てる土地周辺、極力近い所の材料を得られるのが理想。
低地、元湿地はなるべく避け、水はけのよい小高い丘が家を長持ちさせる。
また、津波を考えれば、家は標高50メートル以上の土地がのぞましい。
低地は田畑として活用すれば、場所によって下流の洪水を生かすこともできる。
どんな職業の人も、午前中は家から田畑に降りて農作業をして
午後に各自の仕事をしたらよいとも思う。
そのとき、もしも地震や津波があったときにすぐに避難できるよう
たくさんの種類の道を用意しておく。
車の道。大型車の道。自転車の道。徒歩の道。生き物の道。風の道。水の道。
普段は、道の種類によって市場などに生かす。
風景に調和していれば、家そのものの造り、外観は土地ごとに
みな同じでよい。
服と同じで、見た目よりもまず着心地で大切であるし、
着心地がよいから顔色も冴えて美しく見せるのが本当の服、
家も、住み心地が第一であり、個性を出したいなら
部屋の中に好きなものを飾ったりすればよい。
家そのものは、シンプルでしなやかかつ強くあるべき。
絶対に壊れないほど頑強につくるか、簡単に、安全に壊れて、
すぐに作り直せるもののどちらかがよい。
しかし日本の場合は冬もあるから、ジャングルの中で
植物を編んだだけのような家は、海の家や
季節限定の作業小屋ならばよいけれど、住む家はつよいほうがよい。
真の強さを求めるなら、地震の衝撃を吸収する柔軟性と
湿度を調節する素材や造りの機能性が要る。
家を使い捨てで買うならよいけれど、高い買い物であるし
何代にも渡り、メンテナンスもしやすく、年を経るほどに
資産価値まで生まれるような家を建てたいのであれば
直接工務店や大工さんに注文すると同時に、
素人ながらも希望条件をきちんと伝えて、それを
嫌に思わない職人、専門家を選ぶべきである。
これはとっても個人的な趣向なのだけど、
僕は、本当は材木も使わなくてよいと思っている。
家が生きるために不可欠ならば、誰もが
易しく作れるものであるべきという考えなので、
風で折れた枝や幹で、人力で運べる程度のものは使うけれど、
材を挽く作業は大がかりに感じてしまうのだ。
いつの時代の人間よ?と思われるかな。
それよりも、竹の骨にヨシの壁を麻で編むような、
どちらかというと樹よりも草を使いたくなる。
草原の騎馬民族の遺伝子なのか。
あとは、土や貝殻の粉に麻の繊維(スサ)や海藻(のり)を
こねた土壁を塗り、土台は川原の石を焼いて、割れなかったものを積む。
家に冒険は要らない、と書いたが
傍目にはとっても冒険しているように見えちゃうでしょう。
たとえ崩れても大怪我せず、煙を吸っても死なない安全な家だょ。
だけど、このくらい極端な希望を叩き台として、
建築基準法に落とし込んでいったほうが
真に心身に嬉しいおうちになるでしょう。
注文住宅は高くなると思う人もいるでしょうが、
それはハウスメーカーにおいて、規格外となる場合であり、
直接大工さんや工務店の、良心的な人や会社を
探し求めて注文すれば、同じ予算で、きっと
もっと住み心地よくて長持ちする家が建てられる。
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