ふろしき王子のブログ◎
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植物の葉の広がりは、基本的に
日のよく当たるところに生える植物は小さく
日蔭氣味のところの植物は葉が大きい。
アオキ、ヤツデ、フキ、雪の下など。

この理由のひとつとして、
日当たりが少ないところでは、なるべくたくさんの陽を
得るために葉を広げ、
よく当たるところは、逆に葉が大きすぎると
蒸散などで乾燥しすぎてしまう故に小ぶりや細くなる。

蓮は日あたりを好むけれど葉も大きいのは、
水中から生えて乾燥の心配がないため。
葉が大きいに加えて、上へも伸びて日を求める貪欲?さがあるが、
葉が大きいのと、茎が高いことは風を受けて折れる危険が増すので、
芯はゆらゆら揺れるようになっている。

まあ、普通の地上の植物であれば、
どの日当たりに置いたり植えたりするかを、
葉のかたちである程度判断することができる。

我が家のハスは、隣に生えたフキに抑制されて
今年はまだ小さいために、昨日、覆っているフキを採って食べた。

ヨシは元氣。



うちは借家ながら、1階で3畳程度の地面スペースがありますが、
飽きたらず、庭の柵の外や路地の端にも鉢を並べてテリトリを拡大。
庭のない、下町長屋風情の植木鉢園芸はおすすめです。
屋上やベランダもよいけれど、半分外界、公道と接しているため
ご近所や旅人とのコミュニケーションをつなぐ場としての機能。

レベル(段階)
1:玄関前に、花屋で買ってきた鉢植えを置くだけ。
 日あたりよく乾燥しやすい場所なら、葉の細い種類。
 日あたりがよくなければ、葉の広い種類を目安に。
 水やりは、朝と夕方の両方かどちらか。
 夏は日差しの弱い早朝か夕方。凍る可能性の冬は、早朝と夕方は避けて朝から昼。
 水道水の塩素は、土の微生物にとってよくないので
 できれば日にあてた汲み置きを使う。
 また、酸性雨の中和として、タマゴの殻や貝殻(細かめがよい)を
 表土に散らすのもおすすめ。石灰は土を固くしてしまう。

2:鉢底の排水をよくするのと、地面の熱さに蒸されないように
 植木鉢の下に台を置く。太すぎない角材2本程度を、道と垂直に置く。
 道に落ちた枯れ葉や草は、土の上に置くか、ホウキで土台のすき間スペースに
 入れてしまうと楽。後でまとめて片付けるか、そのままにして小動物の住み家に生かす。

3:乾燥と、土が飛ばされるのを防ぐために、表土を枯れ草、落ち葉、ミズゴケ、スナゴケ(生)などで覆う。
 すると、ダンゴ虫が湧くが、ダンゴ虫の糞の窒素と枯れ草の炭素が相まって
 肥料効果を生むので歓迎。
 玄関前の鉢植えレベルで、わざわざ肥料をやる必要もありません。
 植物自らの枯れ草や、そこいらの落ち葉を表土の上に載せておけば
 虫の糞が栄養につながるし、あるいはその落ち葉の上に米ヌカでも振っておけば
 分解は早まります。
 ナメクジ、アリ、ハサミムシ、ヤスデも健康な植物には手を出さず
 枯れ草や、他の虫の分解にあたります。
 
4:鉢のサイズに対して地上部が大きくなってきたら、バランスよい高さで
 切り落としたり、葉を間引く。もっと大きく育てたいならば、
 ひと回りかふた回り大きい、素焼きの鉢に植え替える。
 素焼きは、鉢そのものから氣化熱がとられるので内部のサウナ状態を緩和する。
 見た目も風情が増すし、いつか割れたものは小動物の隠れ家や地表を覆うのにも使える。
 素焼きに植え替えるつもりなら、はじめからビニルポットなどの苗を買って移植する。
 植え替え時に足す土は、赤玉土のみで問題無し。

5:ある程度育てていると、眠り種や小鳥の糞、風などにより
 雑草が生えてくる。一年草は冬に自然に枯れるが、
 遮光するので、問題ない高さでハサミで切る。雑草の根も
 通氣性や保水力を高めるので、抜かないほうがよい。
 多年草は根っ子の争いが起こるので抜くが、いきなりだと
 土がほっくり返されて構造を不安定にするので、まずは地上部を
 鎌やキッチンバサミで刈り、しばらくしてから抜くと抜きやすい。
 雑草は窒素過多を抑制したり、様々な生物の居場所となって
 かえって虫による症状の予防につながる。

6:家の壁からの日の反射や輻射熱を防ぐために、
 植木鉢の後ろにスダレを立てかける。
 裏側が、ヤモリやカナヘビ、アリ、カマキリの住みかや通り道になり、
 生態系のバランスを整えるのにも役立つ。見た目の情緒が層倍となる。

7:何か水場を置く。
 水がめや酒樽、睡蓮鉢など。小さい、浅い器ほど日蔭位置だが
 水草は日光を必要とするし、紫外線が水を浄化するので半日蔭か、スダレなどで
 調節する。ボウフラが湧くので金魚やメダカを飼う。
 器の底に、砂をやや厚めに敷くと、沈殿物(落ち葉や枯れ水草、魚の糞)を
 分解する微生物が棲みやすい。水草と日あたりがあれば、エサをやり過ぎないことが
 水質を保つ。ただし、ドジョウは苔や藻だけではやせ細ってしまう。

 エサは、生きたミジンコを増やすのが経済的で水も汚れにくい。
 魚を飼わない器を一つ用意し、水を入れて日当たりのよい所に置いておく。
 (日で熱くなりすぎないように)。米のとぎ汁でも混ぜておけば
 やがて緑色の水になる。ここにミジンコを放すと増える。細かい網ですくって
 魚にやる。

8:休憩や夕涼みのための縁台を置く。
 打ち水するなら朝と夕方で、真っ昼間に打つとサウナで逆効果。
 浴衣姿で座って、自慢の鉢植えとともに撮影しよう。
 おじいさまを呼ぶには、縁台で囲碁や将棋。

9:夏はうちわを持って、涼みませう。
 鉢植えの台のすき間などにエンマコオロギが棲みついて鈴のように歌ったり、
 ほどよき雑草にカンタン(鳴き虫)が来てリーリー涼やかに奏でます。
 鈴虫を放すのはおすすめできません。鉢植えのすき間ごときの環境では
 数日で姿を消します。

実際は、一人一人の個性的な園芸となることが醍醐味で
自己流でよいのですが、鉢植え一つにも生態系があるととらえ、
農薬に頼る殺しの園芸ではなく、調和の園芸となるように、
日々よく観察し、自然な範囲で工夫を重ねていくと、
沢山の氣づきや感動を得られるでしょう。

個人の、すてきな鉢植えや庭が増えていけば、
それらがつながって道となり、生き物の
行き来できるネットワークを形成します。
まずはあなたのひと鉢から。

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