西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

モーツアルト「レクイエム」(K626)の話ほか

2006-12-28 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
昨日の忘年会(於:たかつき京都ホテル)でのクイズに「今年はモーツアルト没後250年である。○か×か。」という問題があった。勿論×で、正しくは「生誕250年である」その年も暮れようとしている。今日、NHKハイビジョンのモーツアルト特集(再放送)で「レクイエム」のことを作曲家の池辺晋一郎さんが解説していて面白かった。前にもブログで何回か話したが、この「レクイエム」はモーツアルト最後の曲で、ケッヘル番号626番(6月26日は私の誕生日!)である。モーツアルトは1791年12月5日の死の直前まで取り組んだが未完成に終わったが早急に完成させねばならない事情(作曲料を前倒しで貰っていた)があり、奥さんが知り合いの作曲家アイブラーに頼んだけれど、途中投げ出し、結局モーツアルトの弟子のジュスマイヤーが初めて「完成」、最近、演奏されているのは、この「ジュスマイヤー」版が多いという。しかし、その後も何回も未完成の部分を埋める仕事がなされ、現代まで続いていると言う。ナポレオンの葬儀にも「レクイエム」が流されたと言うが、時代が近いので多分この「ジュスマイヤー」版であろう。ほかに、興味深いのは、モーツアルトの時代は、親父さんやバッハの時代のように主に教会のみが「パトロン」ではなく、フランス革命前後であり、王侯貴族なども状況に応じて作曲を依頼、モーツアルトはサービス精神旺盛に作曲したようだ。例えば、チェロ好きの王様の依頼に対しては、それまでチェロはヴァイオリンの陰に隠れていたのを主役に引き立てたり、フルートとハープのための協奏曲の場合、新しい低いドの音も自由に出るフルートを手に入れた依頼主のために、そのドの音を多用する曲にするとかしたようだ。モーツアルト自身は作曲家であると同時に素晴らしい即興演奏も出来るピアニストであり、観客はモーツアルトの作曲をモーツアルトのピアノで聞くのを楽しんだようだ。ヴァイオリン協奏曲でも、ヴァイオリンと共にモーツアルトのピアノも聞かせたようであり、「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」のようだったらしい。そういう「裏話」を知って曲を聞けば、別の楽しみが加わることになろう。今年は、「モーツアルトの年」だったが、実際十分に楽しめなかった。来年からもゆっくり楽しんで生きたい。

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