西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

鵜匠・山下純司さんを訪ねて(1)

2007-05-13 | 訪問場所・調査地
今日は、昨日、長良川国際会議場で鵜を見せながら話をされた鵜匠・山下純司さん宅を訪ねてみたくなった。「鵜と人との語らい 鵜の庵 鵜」という鵜づくめの喫茶店をされていて庭に鵜小屋を作って25羽も飼っておられると聞いたからである。バスで長良橋を渡り、次のバス停の「鵜飼屋」で下りて、通りを地下道で渡り、長良川右岸の長良中鵜飼という町に入る。そこには岐阜の鵜匠6人のうち5人までも住んでいる。もう一人は少し上流に住んでいるようだ。山下さんの家はすぐ見つかったが、今日は喫茶店は「休み」と知り、がっかり。まあ10時前だし、10時になったらぶっつけ本番で「訪問ミニ調査」をしてみようと決心し、一旦、時間つぶしに長良川岸まで出てみた。そこには、鵜飼舟5艘がつながれている。その一艘で若者が作業を終え、岸に上がってきたので「おはよう、鵜飼の舟ですね」と声をかけてみた。若者は「そうですよ」と答えたので、勘で「鵜匠の跡取ですか」と聞いた。「そうです」と言う。「実は、昨日、国際会議場で鵜匠の山下純司さんのお話を聞いたのですが・・」と言いかけると「それは僕の親父です。今日は喫茶店は休みですが鵜小屋の掃除をするので鵜は全部、一旦庭に出すので見れますよ」と連れて行ってもらう幸運にぶつかった。「小さい頃から鵜舟に乗っているのですか」「いや、本式には大学出てからで、学生時代は小遣い欲しさに乗っていた」というやりとり、ちょうど庭先まで来た時、中から当主の山下さんが顔を出されたので昨日からの経緯を話すと「どうぞ」と言って木戸を開けてくれた。色々な話を聞き、色々観察もさせてもらった。途中から、やはり家政学会に来ておられた文化女子大の二人の先生も木戸を覗いていて招じ入れられ、一緒に話を聞いた。山下さんの家は、本宅との一階に喫茶店を設けているが今日は「休み」、第二、第四日曜は休みと言う。庭の真ん中にに鵜が泳げる池があり、その向こう(長良川上流側)に鵜小屋が並んでいる。その並びに篝火(かがり火)に使う松の薪のストック場、さらに色々な鵜飼にまつわる歴史や過去の道具、模型を展示している私設鵜飼博物館のようなものがあり、池のこちら側、即ち木戸から入ってすぐ左手にお話を聞いた休憩小屋があった。(続く)(写真は、鵜匠の装束、モデルは山下純司さん)

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