私が、小学生の時、恩師の吉村不二子先生を見送りに金沢駅に行き、駅ホームの柱の陰で泣いた話をしていて、西山先生のことを思い出した。どうもブログ書きは芋づる式に記憶を励起するのかもしれない。それは私の京大助手時代と思うが、国鉄に勤めておられた上原某先輩(後に名前を確かめる・・)の「鉄道駅に関する」学位論文の公聴会の時のことだ。先輩は、駅舎内で人々をスムーズに流すためには、なるべく柱のような「流れに対する抵抗物」は排した計画を立てるべきだ、みたいに人間を水の流れの水に見立てたような発表をされた。西山先生が、やおら質問された。「それでは、柱の陰で泣くような人間ドラマはどうなりますか?」という風に。先輩は「うー」と詰まってしまった。やはり、「効率性」を犠牲にしても「人間性」が必要な場合があることが分った。工学は大体「効率性」を大事にする学問だが、その工学部にあって西山先生が何故「生活学派」などと言われるのかも分ったのである。
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