『日経』夕刊の「旅の途中」欄で内田 樹さん(神戸女学院大教授)は、英語に熱をあげるのではなく日本語をしっかり教育する重要性を述べている。そういえば、藤原正彦さんも著書『国家の品格』において、小学校で英語を教えるより、もっと日本語をしっかり教えるべし、と言っていたのではないか。英語をペラペラ喋っても、日本語による自国についての思想が、ペラペラだったら殆ど意味がない、と論じていた。(06年3月3日ブログ参照)まあ白川 静先生が漢字の起源、意味についての学識で中国人に一目置かれていたり、ドナルド・キーンさんが日本文学で日本人以上の知識を持っていたりするように、日本人でも英文学で英国人を凌駕する人物が出てくるかもしれないが、既に明治に東京帝国大学で英文学を修めた夏目漱石が英国に留学し、なぜ日本人が英文学をやらねばならないか悩み、帰国して日本文学で大成したように、基本は、日本人は日本語、日本文、日本文学等に習熟した後に外国語、外国文学をやれば充分やれるのではないか。外交交渉でも自国の文化に対して深い教養がなければ英語が喋れるだけでは相手に尊敬されない、とこれも藤原正彦さんが言っていた。私も、基本的に日本語による教養が若い頃から重要ではないかと思っている。
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