西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

いわゆる「大勢常識」に反する説の検討へー賦課年金を通じて世代交流など

2011-06-21 | 色々な仮説や疑問
ここに何冊かの新書などがある。それらは全てマスコミがふりまく(?)「常識」に反する説を主張している。固定観念を持たず検討していきたい。

(1)二酸化炭素温暖化説の崩壊  広瀬 隆(初版2010年7月、集英社新書)
(2)生物多様性のウソ      武田邦彦(2011年6月、小学館101新書)
(3)消費税は0%にできる     菊池英博(2009年7月、ダイヤモンド社)
(4)いま、知らないと絶対損する
   年金50問50答        太田啓之(解説イラスト三神万里子、2011年4月、文春新書)
(5)公共事業が日本を救う    藤井 聡(2011年5月、文春新書)

ざっと読んだものもあるし、これからのものもある。(3)以外は新書で買いやすい。追々読後感を語りたいが、ここでは(4)の年金50問50答を取り上げてみたい。全部読んだわけではないが、これを読んでみて、「(日本の)公的年金は、決して破綻しない、国民年金に入るべき人は是非入って欲しい、個人積み立て年金より賦課年金が合理的、現在年金を貰っている年金と現役の給料(保険振込金)はリンクしている」などの知見を得た。

現在「年金の支払い額は年間46兆円ほどだけど、172兆円もの積立金がある。(08年時点)・・・政府の試算では、デフレがこのまま続き、しかも何の改革もしなかった場合、20年後には積立金がそこをつく。積立金がなくなっても現役世代からの保険料収入があるから、年金自体は支払い続けられるけど、年金額の大幅カットや保険料の大幅引き上げが避けられない。・・・経済がデフレから早く脱出して、現役世代の給料が増えるようにするのが、一番の年金対策にもなるのだよ。」(同上書より)私は、国家公務員39年間、私学に4年間勤めたのでいづれも「共済組合年金」のための保険料を支払ってきた。で、最近、公務員の給料カットの報に接して、一瞬「けしからん」と思うも、「まあ自分の給料が減らされるわけではなく年金には影響なかろう」と漠と考え、更に「昔、公務員でよかった」などとも考えていたのだが、この本を読んで、そうではない、年金額と支えている現役の人たちの給料額はリンクしていると知って、現役の人たちと共に「怒り」、共に運動していかないといけない、と認識した。

これは、賦課方式年金制度のためである。その制度は、現役の人たちが、その働いている組織と共に現役を「卒業」した年金受給者を支える制度である。デフレが続いて給料が下れば年金は下がり、インフレで給料が上がれば年金も上がるのである。だからインフレなしで現役の給料が上がるのが年金受給者には一番いいのである。

また支える人たちが多ければ多いほど一般に年金受給者は「安定」するのである。(少子化の克服!ブレーキ!)

だから、我々は、子ども世代の働き環境(正規、非正規など)に思いをいたし、彼らの給料の改善を共に追及し、多くの孫達がすくすく大きくなり、親達(我々からは息子娘達)も安心して子育てしつつ働ける環境を共に追求していかねばならない、と把握しないといけない。

今日は、我々の世代と後継世代の「つながり」の大切さを年金制度の学習を通じてはっきりと認識したのである。