ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.4.27 ハーセプチン135回目、ナベルビン12クール2回目、ゾメタ52回目

2011-04-27 20:20:49 | 治療日記
 今日も最寄駅で4分の遅延があったため、乗換駅で予定の電車に乗れず、10分待った。さらに強風のため速度制限ということで、病院の最寄駅に到着したのはいつもより15分遅れ、病院到着も15分遅れてしまった。確かにすごい風で、駅前のペディストリアンデッキでは飛ばされそうだった。
 今日は診察前の採血もレントゲンもなかったので、待ち時間もあまりなくスムーズに終わるかな、と思っていたが、受付後中待合に入るまで30分、診察室に入るまでさらに30分近く待った。

 診察室では、いつものように先週1週間の状況報告。気持ち悪さも火照りもいつもどおりで、ロキソニンだけ飲んでやりすごせたこと、痛みは殆どなかったが、昨日あたりから右の腋がひきつれるように痛むことをお話しした。「食欲はどうですか。」と聞かれ、「投与翌々日くらいまでは控えめにしているが、土曜日午後からはごく普通にしっかり食べています。」とお答えする。
 腫瘍マーカーはじわじわ上がっているが、今回の0.5の上昇が意味のあるものかどうかはわからない、気にしなくて良いということだった。ほっとした。いつものようにロキソニンを処方して頂き、次回は連休明けで採血後の診察予約。胸部レントゲンは、今月CT撮影したばかりなので6月にしましょう、ということになった。

 化学療法室へ移動し、ここでも待合椅子で15分ほど待ってから点滴椅子に案内された。先週に引き続き東北出身のがん認定看護師のKさんが針刺してくださったが、あまり痛くなくほっとした。連休には帰省できる、と伺い、お見舞いの気持ちだけお伝えした。

 薬が届き、今日はハーセプチン、デキサート、ナベルビン、生理食塩水、ゾメタ、生理食塩水6本のフルコース。点滴台に薬が所狭しとぶら下がる。11時過ぎから点滴開始。ハーセプチンが短縮したことで、ランチタイムに間に合うだろうと踏んで、お昼を調達せずに読書に集中。2時過ぎに終わり、抜針もほとんど衝撃がなかった。抜いてくださったSさんも「こんなにすっと抜けたのは初めてです。」とのこと、今日はラッキーだった。
 会計を済ませて病院を出たのは2時半を回った頃。今日の病院滞在時間は5時間半弱。
 ところが、薬局が大混雑。たっぷり30分以上待ち、薬を受け取ったのは3時を大きく回り、空腹でがっくりきてしまった。その後、軽食をとり、買い物しつつ帰宅の途についた。

 今日は3冊読んだ。
 1冊目は若林亜紀さんの「独身手当 公務員のトンデモ給与明細」(新潮文庫)。
 裏表紙には「かつて厚生労働省の特殊法人に勤務し、そのあきれる実態に日々接していた著者が、霞が関と全国の自治体を徹底調査!国会議員たちも注目する、役人天国ニッポン告発の書」とあった。それにしても、今時、こんなこと・・・と疑うような話が目白押しで、読みながらとても気分が悪くなった。私が勤め始めた古き良き時代でも、ここまで酷い話はなかったし、少なくとも今、私がいる職場で決してこんなことは通らないはずだけれど・・・と思う。

 2冊目は中田敏博さんの「医療鎖国 なぜ日本ではがん新薬が使えないのか」(文春新書)。
 帯には「日本では、助かる患者も助からない 明日は、あなたの番かもしれない (海外で承認された主要なバイオ医薬品の日本での承認状況の一覧表が掲載)」とあった。ドラッグ・ラグの話は決して他人事ではないので、手に取った。著者は医師として勤務した後、MIT(マサチューセッツ工科大学)でMBA(経営学修士)を取得後、コンサルティンググループ、ソフトバンクを経て、今はヘルスケア領域に特化したベンチャーキャピタルファンドの運営会社を創業したという変わり種。
 もろもろの先入観、情報操作によりどれだけ勘違いをさせられているか・・・なんだか溜息が出てしまった。

 3冊目は藤原正彦先生の「日本人の誇り」(文春文庫)。
 帯には「『国家の品格』から6年、渾身の書下ろし『日本人の覚醒と奮起を期待したい』」と、表紙の見返しには「個よりも公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、文明史上、世界に冠たる尊きものだった。しかし戦後日本は、その自信をなぜ失ったのか?幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、現代人必読の書」とある。
 「はじめに」では近現代史をどう見るかを露わにするということは、自らの見識を露わにすることで、これは誰でも避けたい仕事であるが、一介のおっちょこちょいで無鉄砲な数学者が、右でも左でも中道でもない、自分自身の見方を溢れる恥を忍んで書き下ろしました。歴史を失った民が自国への誇りと自信を抱くことはありません。これこそが現代日本の諸困難を解決する唯一の鍵なのです。そして今、未曽有の大震災に打ちのめされた人々の心を支え、力強い復興への力を与えると信ずるのです。・・・」とあるように、先生らしい日本へのエールの書だった。それにしても、ここに書かれたことが真実であるならば、私たちは日本史の情報操作によりどれだけの勘違いをさせられているか、自分の知っている歴史はいったい何なのかと、下を向いてしまった。

 帰宅するとお花が届いていた。大輪のオリエンタルリリーが2本とワットソニア3本、カスミソウ2本。それぞれの花言葉は「高貴」「豊かな心」「清い心」だという。ワットソニアはグラジオラスを小さくした感じのとても珍しいお花だそうだ。初めてのお花。豊かな心、いい花言葉だ。豊かな心をもって楽しみたいと思う。
コメント
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