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ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.4.20 ハーセプチン134回目、ナベルビン12クール1回目

2011-04-20 21:27:44 | 治療日記
 いつものとおりに家を出たが、最寄駅での到着電車の遅延3分が響き、乗換駅でいつもの電車に乗り損ない、いつもより10分後の電車を待つ。病院到着も当然10分遅れになった。
 受付し、採血の受付番号を見ると50人弱の待ち人数がいることがわかり、ちょっとがっかりする。それでも思ったよりスムーズで、小一時間で終了した。今日はマーカーも含めてフル検査のため、3本採取。いつものように「紙テープでないとかぶれるので・・・」と言うと「震災の影響でこれまで使っていたテープを作っていた工場が潰れたので、今は紙テープしかないので心配ないですよ。」とのお答え。こんなところにも影響が出ているのだと何とも切なくなる。

 内科受付に移動して、結果が出るまで1時間待つ。中待合に入ってから10分ほどで先生が診察室からお顔を出された。まずは「前回、ハーセプチンを1時間で落として大丈夫でしたか。」と聞かれ「問題ありませんでした。」と答えた。それから先日のCTの結果について、画面を見せながら説明された。「肺の腫瘍は明らかに小さくなっているが、(昨年の6月以来の撮影になるが、9月にナベルビンに変更してから初めてのCT撮影であり、ナベルビンが効いていることはこの間のレントゲン等でも確認済みなので)これは当然のことである。また、胸骨、右鎖骨についても変わりなし。それ以外の臓器も変わりなく、カテーテルの周辺部に血栓も見当たらない。」「今日は白血球2900。予定通り治療を続けましょう。」ということになった。
 大切なことは「変わりないこと」であることを繰り返された。本当にそうなのだ。良くならなくとも悪くならないこと、今のこの状況をできる限り長くキープできることが大事なのだ、と自分でも思う。
 先週クリニックでもらった採血結果をお見せしてご報告。花粉症や他のアレルギーではなかったこと、とりあえずアレグラは飲みきり、今は点鼻、点眼のみ朝1回続けていることをお話しした。
 来週はレントゲンも採血もなしで、そのまま診察の後点滴の予約を入れて頂いた。

 化学療法室へ移動。10分ほど入り口で待ち、点滴椅子に案内された。その後ベッドに移動して針刺もスムーズであまり痛まずホッとした。お昼前に薬が届き、点滴開始。ハーセプチン、デキサート、ナベルビン、生理食塩水の4本だが、前回と同じでハーセプチンが1時間ちょっとで終わるので本当に有難い。今日はぎりぎりでランチタイムに間に合いそう、ということで読書に集中することにし、食事は調達しなかった。
 2時過ぎに終了、マーカーの結果等が出ていたのでプリントアウトして頂いた。CA15-3は前回より0.5の上昇。それでも画像上問題ないことがわかったので、あまり気にし過ぎないことにします、と看護師さんにお礼を言って化学療法室を出、会計を済ませて病院を後にした。本日の病院滞在時間は5時間半弱。やはりハーセプチンの小一時間短縮が功を奏している。
 ランチタイム終了の3時までにレストランに入ることができ、遅い昼食をゆっくりとることが出来た。治療の日に点滴椅子のテーブルでサンドイッチやおにぎりをほおばるのと比べ、暖かい食事をとれることは気分的にもずいぶん癒される。

 今日は3冊読んだ。
 1冊目は中村尚樹さんの「奇跡の人びと 脳障害を乗り越えて」(新潮文庫)。
 「いのちとこころとを考える医療ルポルタージュ。懸命に治療に励む人々の勇気を追う。」という帯と「いつ、だれに起こるかもしれない脳の障害。意識ははっきりしているのに「植物人間」と宣告された人。外見は全く普通だが、思考力などに障害のある「高次脳機能障害」・・・」という裏表紙を見て、思わず手に取った。
 過酷な現実としての閉じ込め症候群、遷延性意識障害、交通事故と高度救命救急医療、脳治療の最前線、脳ドックの落とし穴、理学療法、音楽運動療法等、全編にわたってとても引き込まれた。そして文庫版あとがきの「この場合の『いのち』とは、個々の『命』を超えた、親から子、そして孫への連綿と受け継がれる、生命の力強さである。この『いのち』を縦軸とすれば、『こころ』とは個々人の『心』を超えて、患者と家族や友人、彼らを取り巻く医療者や支援者、さらには地域社会の人々など、人と人とをつなぐ生命の連帯感であり、横軸と言えるだろう。・・・人の『心』とは、人と人との関係性においてこそ、育まれるものだからである。この縦軸と横軸がしっかりとからみあうことによって、当事者は『世間の常識』に押しつぶされることなく、それぞれの持つ潜在的な可能性を120パーセント発揮することができたのではないだろうか。そしてそれが、人と人との間に生きる、つまり『人間として生きる』と言うことであろうと思う。」の部分にとても共感した。

 2冊目は鈴木敏文さんの「朝令暮改の発想―仕事の壁を突破する95の直言―」(新潮文庫)。
 著者はセブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長・CEO。帯には「カリスマ経営者が語る仕事の極意。自分は本当に『仕事』をしているだろうか」という問いかけに興味を持った。
 裏表紙には「過去の成功体験にしがみつく『記憶力』の時代は終わった。これからは何が求められるかを追求する『理解力』こそ必要だ。」とある。自分の職場を振り返り、「仕事量が多くても人を増やしてはならない」や「時間の無駄の典型は成果に結びつかない会議と資料づくり」、「『稟議書』も時間をかけて印をもらってくる必要がどこにあるのか」にまさにそのとおり・・・と思うけれど、いかに衝動買いをさせるかというノウハウ等を読み、普段のこのスーパーの価格設定等を思い返すと、なんだかなあ・・・と感じる部分も多々あった。

 3冊目は井形慶子さんの「一戸建て願望-こだわりを捨てないローコストの家づくり-」(新潮文庫)。
 裏表紙には「いつか一軒家を持ちたい。それも個性的なイギリス風の家を、低価格で。その夢がある日実現へと動き始めた。周囲の反対を押し切り、ハウスメーカーと契約した著者は、様々な壁にぶち当たることに。…努力を重ね理想のマイホームを手にした、涙と喜びの記録」。帯には「人気の町・吉祥寺に1000万円台で庭が2つの一軒家を建てた!」とある。いやはやこのこだわりと情熱、エネルギッシュな著者には心底脱帽だ。一緒にハラハラドキドキしながら7ヶ月間施主になった気がした。表紙をめくると数ページにわたってできた家の写真が沢山。着工から完成までのプロセスの写真も満載。読み終わってからまたしみじみと見直した。いや、こんなお家に住めたら世界が変わるかもしれない。
 お仕着せの4階建ての2階の四角い箱。17年前に今の価格の倍を投入して思い切って手にした90㎡3LDKの我が家がちょっと恨めしくなった。(もちろん著者のように頑張ってこうした家を作ってしまうほどのバイタリティは私にはとてもないけれど・・・)

 やはり、おなかの気持ち悪さのため、夕食はあまり食欲がない。早めに入浴して明日からの週の後半に備えたい。


コメント
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