東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

てんてれつくの猪

2019-08-16 00:34:48 | 日々

 一昨日、浅草の藤浪小道具の倉庫を日本人形玩具学会の見学会への参加として見学することができました。

 浅草6丁目だったか?昔の猿若町です。歌舞伎の大道具なら「長谷川」小道具なら「藤浪」といわれるくらい歌舞伎にとってはなくてはならない老舗の小道具屋さんの内部を素人の分際で見学できるとうことは滅多にないことでした。この昔の猿若町、今でも近くにお神輿や太鼓の「宮本卯之助商店」とか造花の老舗などあり、その昔江戸三座が並び、栄えた時代の名残のようです。とにかく芝居好きにはこの上ない機会。

 一枚目の画像の猪こそ「仮名手本忠臣蔵」5段目に登場する「てんてれつく」の鳴り物で登場する猪の実物。舞台だと照明のせいもあり、あっという間の登場退場なのでゆっくり細部まで眺めるということがないので、このように触って観ることができるなんて感激です。江戸の芝居風俗を描いた絵には人ふたりが入った4本足の猪もあったようですが、長く定着しているのはひとりで入る2本足の猪で前足2本はぶらぶらしています。その時々で細部が違ったり役者さんのお好みで変化があったすることは珍しくないでしょう。

 耳が垂れていますね。動きにつれてぱらぱら動くのでしょう。

 中側。張りぼてです。

 右に並んでいる素朴な首はご存じかと思いますが歌舞伎十八番「暫」の後半で鎌倉権五郎の大太刀で切られる首です。猪といいこの他愛のない素朴さが歌舞伎の値打ちです。狂言によっては劇中の首実検で使うリアルは切り首も存在します。それと切り首の左に鈴太鼓が見えますね。「娘道成寺」の「園に色よく、、、、」のところで使う楽器です。「早乙女早乙女田植え歌 裾や袂を濡らした サッサ」(ちょっと古典的なエロさ。)あと「鏡獅子」の胡蝶「世の中に絶えて花香のなかりせば、、、花のおだまき」で二人の胡蝶がシンメトリーな振りで合わせて踊ります。

 いろいろな狂言だの踊りで使われる傘のいろいろ。花の傘は「道成寺」の所化の踊りで使います。大学のときの歌舞研で「道成寺」が出て。所化で踊ったことがありますが観るのと演るのとでは大違い。白拍子花子は件ごとに違う人が分けて踊っていましたが、道行の件は「花組芝居」の加納幸和さんでした。もう40年近く前の思い出、、。

本当は倉庫の中の見学をするつもりでいたのが、家族が救急搬送されたから急いで駆けつけてくださいなんて救命士の人から電話が入って泣く泣く途中で帰ったのでした。「アーラ 口惜しや 無念やな@@@@@」

 

 


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