東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

危機一髪

2017-12-28 12:03:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 被官様の鉄砲狐を済ませて、年内最終の王子の「狐の提灯行列」向けの「装束稲荷」から授与される「招き狐」を型抜き乾燥させていたものを素焼きしようとしたところ、焼成窯の電源が不調で稼働しなくなっていました。

 昔の人形では(今戸人形でも)焼を省略して彩色したケースはありましたが、そういう場合は人形はムク(土びっしり)になっているのですが、焼くつもりで用意していた招き狐はガラ入りの中空なので焼かないととても脆いので無理です。

 電気窯を製造、納品した業者は調べてみると既に他社に統合されて今はなく、辛うじてその会社に問い合わせたところ、当時納品、設置を担当された方がいらしたのですが、現在の会社では陶芸窯の取り扱いがなくなっているとのことで、それでもその方が時間をみて動いてくださるとのことでお願いしましたが、1月中旬以降になりそうです。

 その間、焼成ができないのは納期を考えてもご迷惑をおかけするので、当座向けに小型の電気焼成窯を購入することにしました。それでも年内の納品が難しいとのことなので、大晦日の「装束稲荷様」には申し訳なく、先方に事情をお話したところです。

 同時に「装束稲荷」向いの「王子 ヤマワ」さんからも狐ものを頼まれていたので今までに素焼きして残っていたものをかき集めてお持ちしようとしているところです。画像がそれですが、「はは呑気だね」といいますか、久しぶり楽しみながら塗っています。どれも今まで手掛けたもので大きな変化はないのですが、手前から2列目の浅草型の「招き狐」を色変わりにして塗ってみました。どうでしょうか。「袖なし」が「くさのしる」(または鶯色)のものです。砂子(真鍮粉)を蒔く代わりに、宝珠模様を散らしてみました。今戸にこうした模様があったかというと、全く同じではありませんが、宝珠チラシの模様の人形は見たことがあります。それよりもどこの人形かわかりませんが、巨大な狐拳型の狐で宝珠ちらしの模様の入ったものを観た記憶があり、それを思い出して描いてみました。

 窯のことで崖っぷちですが、とりあえず代用の窯の注文は済ませたので、年内は無理でもいずれ納品されるので、それまでは彩色とか土いじり、あるいはぴいぴいの鞴作りだけでも作業は山のようにあり、それで時間をつないでいこうと思います。