生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1486 ・「消費税負けて」と新聞協会のうさんくさい要求

2013-01-16 07:07:25 | 日記

おはようございます。                                                                           生き生き箕面通信1486(130116)をお届けします。

・「消費税、負けて」と新聞協会のうさんくさい要求

 あれだけ消費税増税をあおってきた新聞業界が、こと自分の業界に関しては「新聞は消費税を負けて」と言い出しました。日本新聞協会が昨日1月15日に発表した声明は、「民主主義と文化の健全な発展に不可欠」という理由で、新聞への軽減税率適用を要求しました。

 新聞やテレビがあれほど熱心に「消費増税は必要」とキャンペーンし続けたのは、最初から時の政権(財務省を含む)との間に「新聞やテレビには適用しませんから、増税キャンペーンをお願いします」と”闇取り引き”があったことを推測させます。つまり、最初からできレースだったわけです。

 その増税キャンペーンの洪水の結果、私たちの多くは、「国が巨額の借金を抱えているのだから、増税もやむを得ないのかな」と、頭の中に「増税やむなし論」を刷り込まれました。新聞が強調した国家の危機的財政状況なら、新聞業界も率先して「われわれの業界にも課税して下さい。国ために協力します」と言い出すべきでしょう。

 国会論戦では、「消費税を上げる前にやることがある。まず、ムダを省くシロアリ退治が先決」という主張がありました。この指摘は、大方の異存のないところだと思われます。なにしろ財務省出身をはじめ、高級官僚が天下りした団体などに大盤振る舞いの税金が流されていることは周知の事実です。しかし、このシロアリ退治はまったく手つかずといっていいほど放置されました。新聞も手心を加えたのです。天下り天国は温存されたまま、増税だけが庶民に押し付けました。新聞と財務省のできレースの結果です。つまり、新聞は税を軽減してもらう代わりに、天下りなどにあまりメスをいれないことを了解していたのです。財務省の完勝といえます。

 消費税は、低所得者に逆進性があります。低所得者の方が、高額所得者より痛みを受けることは誰も否定できません。限られた所得の中から日々の食糧や身の回りの必需品購入にやりくりして支出する低所得者は、まるまる消費増税分が負担になります。だから、消費税で先行する欧州各国は、低所得者には食料品などの税率を軽減する措置を取っています。しかし、財務省は軽減税率の広がりを嫌がっており、強く抵抗しています。

 なによりも、このデフレ下で消費増税を強行すれば、かえって税収は落ち込むことすら想定されています。そのため、安倍政権は2%のインフレを実現し、3%の経済成長を達成しようとやみくもに走りだしました。日銀にじゃぶじゃぶおカネを刷らせて市中にばらまかせる圧力をかけています。「言うことを聞かない日銀総裁は代えてしまえ」とばかり、総裁人事をもてあそぶ風情です。おそらく財務省出身のOBを充てるのでしょう。

 新聞は、政府にすり寄り、本来のジャーナリズムの役割を果たしていません。むしろ、政府の広報機関に堕しているといっても過言ではありません。政権は大政翼賛色を強め、新聞などの報道機関は政府の広報機関化する日本。あちこちで制度疲労を起こしている日本の既得権益勢力は、新聞などの報道機関を含め日本全体を沈没させる方向へまっしぐらのようです。

 

 


1485 ・日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相

2013-01-15 06:57:51 | 日記

おはようございます。                                                                              生き生き箕面通信1485(130115)をお届けします。

・「日本の過ちは、自らの価値を捨て欧米に迎合したことだ」と、マレーシアの元首相

 「日本が苦境にあるのは、経済大国への道を切り開いた自らの価値を捨て、欧米に迎合したからだ。例えば終身雇用制などに重きを置かなくなった。政府の指導や民間企業との協力関係はいまや犯罪視される」

 「系列、行政指導、日本株式会社といった、欧米から批判されたシステムを捨てたことは大きな誤りだった」

 「ルックイースト政策」を唱え、日本型経済発展モデルを高く評価したマレーシア元首相、マハティール・ビン・モハマドさんへのインタビュー記事が本日1月15日の朝日新聞朝刊9面に掲載されました。

 元首相は、「日本株式会社がなぜ悪いのか。終身雇用制のどこが悪いのか。日本は自分が築き上げた経済発展モデルを、欧米に言われたからといって、すべて捨て去る必要などまったくないではないか」といっています。元首相が自国で推進した「ルックイースト政策」は、端的には「日本に学べ」というものでした。その内容は、日本株式会社を支えた、官民一体となった経済体制であり、それは終身雇用制によって裏打ちされていました。

 ところが、アメリカからの直接的な圧力や、繰り返し求められる日米構造協議などでの要求に、日本はつぎつぎと屈服し、経済構造をアメリカに近い形にしてしまったのでした。その結果、日本は方向性を見失い漂流を始めて、「ロスト20年」、つまり失われた20年になったのです。

 しかも、方向感覚喪失の漂流は、現在も続いています。その原因を元首相はこう見ています。「確かにグローバリゼーションはやってきた。それは欧米のアイデアであり、彼らの利益のために考え出された。新たなシステムを採用すれば、混乱はつきものだ。日本は国内の状況を斟酌せずに受け入れた。それまでのやり方とグロバリゼーションを調和させることに失敗した」

 中国脅威論についても、明確に否定しています。「過去2千年、中国がマレーシアを侵略したことはない。ベトナムに拡張を試みたが、あきらめた。われわれを植民地化した西欧に比べれば中国が過去、好戦的だったとは言えない。市場経済の時代に、中国が日本をはじめ、周辺国を侵略する意図を持つとは思えない」

 元首相は、中国との共存共栄を構想しています。現役首相の時には、「東アジア経済会議」(EAEC)を提唱し、そこには中国の参加を見込んでいました。ところが、中国を参加させる枠組みにアメリカが反対し、中国排除の圧力をかけました。このとき日本は、アメリカの意向を汲んで、EAECに反対を表明したのでした。アジアの各国の前で、恥ずかしげもなくアメリカのポチぶり踊りを披露したのです。

 「(アメリカは)TPP(環太平洋経済連携協定)でも中国を除外しようとする。われわれは東洋の人間だ。敵をつくるのではなく、自分たちの問題は自分たちで解決すべきだ」と、中国との共存共栄を極めて明瞭に提唱しています。

 日本は、自らが持つ素晴らしい価値を自分で認識する必要があります。例え、アメリカに「それはまずいから改めよ」と圧力をかけられても、守るべきは守らなければ、独立国とはいえませんよね。

 安倍首相はTPPに対し、「守るべきは守る」と言います。しかし、いままでの実績はアメリカから言われたらそれを受け入れるばかりでした。日本の要所要所は、アメリカの意向を受け入れる構造へと変革させられています。

 かつて日本が、「黒船4杯」の圧力で不平等条約を押し付けられ、それを改めるために営々と努力してきました。しかし、太平洋戦争に敗れてからは、いっそうひどいアメリカからの不平等要求を受け入れる国に堕しています。

 安倍首相は、就任後初の訪問国をアメリカと定めていましたが、アメリカ側から「お土産が小さい」と、門前払いを食らいました。かなりのお気に召すお土産を用意しなければならない状態です。いつまでこんな屈辱に耐えるのでしょうか。それとも習い性になって、要求されれば要求されるほど、嬉々としてお土産を用意する思考回路になっているのでしょうか。

 

 


1484 ・恐ろしい「陰謀」が進められつつあります――安倍政権の根幹からの憲法改変戦略

2013-01-14 06:47:29 | 日記

おはようございます。                                                                               生き生き箕面通信1484(130114)をお届けします。

・恐ろしい「陰謀」が進められつつあります――安倍政権の根幹からの憲法改変戦略

 安倍政権のもとで経済政策が矢継ぎ早に打ち出され、株価が上がり、円安が進んでいます。安倍政権への評価が上がっているようです。本日1月14日付けの読売新聞朝刊が掲載した世論調査の結果は、内閣支持率が68%で、内閣発足直後の65%からやや上昇しました。この勢いをさらに強めることが、安倍政権の目下の最大課題です。

 安倍政権は、7月に予定される参院選で勝つことに照準を合わせています。そのための必須の条件と定めているのが、この経済活性化です。経済を活性化しさえすれば、安倍政権への評価が全国的に高まり、消費税増税も反対勢力を跳ね飛ばして実現する。そうした成果に立って、参院でも支持を広げ、ねじれを解消する。できれば、参院においても改憲勢力で3分の2を占め、念願の憲法改定に着手する。

 安倍政権の最終の狙いは、憲法改悪です。その狙いを隠しての政策推進だから、「陰謀」といえます。

 憲法改悪は、何も「9条」だけではありません。いまや安倍政権が狙う憲法の改変は、現行憲法が定める、平和主義、民主主義、国民主権の根幹を、根っこから変えようというところにあります。

 憲法は何のためにあるのでしょうか。憲法が「やってはいけない」と定めているのは、誰の手をしばるためなのでしょうか。憲法が平和主義、民主主義、主権在民を根幹として定めているのは、ともすれば暴走する国家権力をしばるためだけにあります。憲法が保障する平和主義、民主主義、主権在民を破ることができるのは、国家権力だけです。国家権力は、警察や自衛隊という暴力装置を持っているうえ、広範な行政組織や予算配分権など巨大な権限を持っています。だからこそ、その暴走にブレーキをかけるものとして憲法が存在します。

 安倍政権は、その手を縛る邪魔な条項を根本から変えて、国権によって国民を上から統治しやすくしようという改変をねらっているのです。改変の具体的な一つが、言論の自由の制限です。そのための理屈は、「公の利益」です。「公益」をすべてに優先させる思想空間をつくることで、権力側に都合のいい統治機構を再編できるというわけです。

 今年7月に予定される参院選の意義は、歴史的にその重みが増しています。参院選の結果によっては、国民主権が空洞化し、平和主義、民主主義がお飾りにすぎないものにされてしまします。中国の憲法も、言論の自由は明記しているそうです。しかし、共産党独裁で、言論は大幅に制限されています。日本も同じような状況になりかねないという危機が忍び寄ってきつつあります。

 

 


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2013-01-13 07:01:17 | 日記

おはようございます。                                                                                生き生き箕面通信1483(130113)をお届けします。

・あの「モンサントとたたかう」映画を観ました

 「食糧の種子で世界支配をもくろむモンサント」と名高い米国の巨大種子会社。そのモンサント社と闘うカナダの一農民のドキュメント映画「パーシー・シュマイザー モンサントとたたかう」です。昨日1月12日から十三の「第七藝術劇場」で始まりました。

 モンサント社は、訴訟では腕利きの弁護士を多数そろえ、モンサントの種子販売の邪魔になる農民は訴訟に持ち込んでつぶしていく戦略を世界中で取っています。この映画は、カナダの農民、パーシー・シュマイザーさん夫婦が勇敢にもモ社を相手にがっぷり四つで立ち向かう姿を描いています。

 そもそものきっかけは、シュマイザーさんのナタネ畑が、風で飛ばされてきたモ社のGM(遺伝子組み換え)種子によって汚染されたことに始まります。本来なら、モ社が責任をもって除かなければならないはずのところを、逆に特許侵害で訴えられ、なんと裁判所は彼に損害賠償金の支払いを命じたのです。モ社は、裁判所にも手をまわしています。

 モ社は、抵抗する農民をつぶしていくために、私兵ともいうべき「モンサント警察」を抱えています。ならず者集団です。モ社のお抱え弁護士が高度な訴訟を担当し、実力行使をならず者集団が請け負って、結局はモ社の種子を買うほかないように仕向け、農民を自社のマーケットの中に組み込んで行きます。

 モ社は、「遺伝子組み換え作物の種子」では世界の90%を占めるとも見られている巨大企業です。除草剤の「ラウンドアップ」と併せて販売します。モ社のGM種子はラウンドアップに耐性を持たせているので、雑草を取り除く手間が省けるという触れ込みです。ところが、インドで広く普及した、モ社の綿花種子の結果は、農民が土地を手放すか、腎臓を売って借金を支払うかしなければならないほどの悲惨な実態となっているそうです。

 遺伝子組み換え作物を食べ続ければどんな影響が出てくるか明らかになっていません。GM種子を売るビジネスのために、「大丈夫だろう」という推測で見切り発車しているのが現状です。

 モ社のGM種子はすべて特許という「知的財産」で守られています。TPP(環太平洋経済連携協定)交渉では、この知的財産の部がブラック・ボックスです。しかし、いったんTPPに参加すれば、モ社のGM種子を容認しなければなりません。いまはなりを潜めているモ社が、GM種子で日本市場を席巻するようになるのは目に見えています。

 モ社は、ベトナム戦争時は枯葉剤でたっぷり設けた企業です。日本の経団連会長を務める米倉氏の出身母体、住友化学はモ社の日本総代理店といってもいいほどの関係を持っています。米倉会長は、経団連の意志として政府に「TPPに参加を」と尻を叩いています。

 TPPに参加すれば、モ社の横暴を防ぐことは極めて困難になります。安い農産物がどっと輸入されてくることと合わせ、日本の農業が壊滅することがほぼ明らかです。しかし日本政府は、そうした情報をすべて隠したままです。あるいは「そんな心配はしなくてもよい」というばかり。

 安倍首相は、オバマ大統領と会談できる条件をととのえるために、国内でのTPP参加の下地づくりに懸命です。オバマ大統領との会談が整ったときは、日本が実質的に「TPP参加」の意志を固めたということを意味します。そしてそれはまた、モンサント社が日本におおっぴらに乗り込んでくることなのです。

 

 


1482 ・若宮啓文・朝日新聞主筆の内容の乏しい卒業論文「40年のまとめ」

2013-01-12 07:13:44 | 日記

お早うございます。                                                                                生き生き箕面通信1482(130112)をお届けします。

・若宮啓文・朝日新聞主筆の内容の乏しい卒業論文「40年のまとめ」

 若宮主筆は本日1月12日付け朝刊で、「間もなく朝日新聞を去る私は」と前置きし、異例の1ページまるまるをつぶして「私の見た政治の40年」なる、新聞記者としての「私の思い」(13面)、つまり卒業論文を掲載しました。それが、「さすが朝日の主筆」と評価できる内容ならまだしも、ほとんど内容のない、単なる歴史の経過をなぞるだけに終わっているのは、なぜか。しかも、触れなければならないはずの大事な事実についても、あえて触れないようにしているかのようです。全体として、こりゃあなんじゃ、このお粗末さはなんじゃらほい、の印象です。

 まず、まったく欠けている視点が、アメリカからの要望(圧力)が日本の政治、あるいは日本という国の姿をどれほどゆがませてきたか、日本の真の独立をどれだけはばんできたか、という点です。1ページを割きながら、対米外交に関する直接的な言及はまったくありません。見出しには「日米中は心を開き大きな図描け」とありますが、いかにもとってつけたような印象です。

 若宮さんが新聞記者になったころは、日米繊維交渉が火を噴いていたころです。日本側は対米繊維輸出の自主規制を強いられ、その自主規制は自動車などにも広げられました。それでも足りないと、日米構造協議と称して日本の商習慣などにまで改革を求めてきました。その後は、年次改革要望書という形で、具体的に日本側へ注文をつけてきました。次から次へと突きつけられる”圧力”によって、日本の商習慣は大きな変化を強いられ、いわゆる「パパ・ママ・ストア」などの個人商店は消えていかざるを得ませんでした。こうしたアメリカの理不尽ともいえる”内政干渉”に、若宮氏は一言も触れないのです。アメリカさまにおもんぱかって、ジャーナリストとしての筆を自主規制しているのです。新聞社を退職した後は、既得権益勢力から何かおいしいポストが用意されているのでしょうか。

 原発に関しては、「唯一の被爆国であれだけの原発事故を起こしながら、多くの国民の願いである「脱原発依存」の方向すら鮮明にできない政治。総選挙では各政党がばらばらに脱原発や卒原発をかかげて争う、最も後ろ向きな自民党に大量議席を与えてしまった」と、選挙結果を記すのみ。原発問題では、一歩も二歩も踏み込んだ受け止めがあってしかるべきですが、あえてそのずっと手前で筆を止めており、主筆ですらここまで自主規制しなければならないのかと、暗然たる思いです。

 小沢問題についてはかなりのスペースを割いて触れていますが、中身は噴飯ものです。こう書いています。「災いしたのは降りかかった政治資金の疑惑。本人は不起訴や無罪になっただけに検察権力にほんろうされたとも言えようが、田中元首相の裁判傍聴に通って以来、司法権力の『横暴』を厳しくついてきた小沢氏が最高権力者になることに、検察の危機感も大きかったのだろう。ロッキード事件の影はここまで尾を引いていた」と。これは何ですか。小沢問題は、小沢氏と検察だけの問題だったのですか。朝日新聞をはじめ大手マスメディアがそろって「クロ説」を書き立て、世論誘導したのではなかったですか。それをいまさら、「検察がやった。オレ、知らね」で済むでしょうか。メディアとしての検証は、1行もありません。まったくのほっかぶり。無責任もいいところです。

 政治改革についても、ふにゃふにゃの記述に終始しています。今回の衆院総選挙は、「1票の格差」が大きすぎて最高裁から「違憲もどき」の判決を受けていたにもかかわらず、より大きな1票の格差をそのままに実施されました。あきらかに「違憲」です。総選挙は無効のはずです。しかし、「40年の政治記者の全履歴」をかけて書いた卒論が、ふにゃふにゃのこの体たらく。

 私たちは、メディアの知性はこの程度だと承知した上で、自らの「メディア・リテラシーの力」をより強く磨く必要があります。今年は本当に私たち自身の判断力が問われる年になりそうです。