お早うございます。 生き生き箕面通信1473(130203)をお届けします。
・日本は依然、放射能の危険にさらされています
年が改まると、昨年のことは過去という分類に押し込められます。過去というものは、そのこと自体は無害のように受け取られがちです。でも、福島原発4号炉はどうでしょう。あそこの使用済み核燃料プールは、2011年3月15日に水素爆発して以来、傾いたままです。その中には1330体を超える核のゴミ(使用済み核燃料)が保管され、現在は水で冷やしてかろうじておとなしくさせているにすぎません。4号炉の炉心にはそのほかに540本ほどの核燃料が入ったままです。プールは応急の補強工事がされたようです。しかし、大きな余震に耐えられるか、誰も自信はありません。ヒヤヒヤ状態が、かれこれ2年続いています。この間、大きな異常が生じなかったのは、天の助け以外の何物でもありません。
つまり、ひとたびプールになんらかの力が働いて水が抜けてしまうと、放射能が大気中に大量放出される危険はいまも続いているのです。ヒロシマ原爆の4000発分に相当する量ともいわれます。野田首相(当時)は「フクシマ原発の収束宣言」をしました。これは、全くのうそっぱちだったということが誰の目にも明らかになっています。
小出裕章さんは、「4号炉のプールに異常が生じないことを願うばかりです。人間が近づけば、数分以内で致死量の放射能を浴びるほどですから、作業は極めて困難です。そしてもし、4号炉のプールから水が抜けてしまうと、風向きによっては、東京は壊滅しかねません」と、警鐘を鳴らしています。
それにしても、現在の平穏、平静さは何なんでしょうか。間違いなく、危機はそこにれっきとして存在しているにもかかわらずです。
日本人は昔から、あまりにも大きな問題が生じた場合は、とりあえずその問題から目をそらしてやり過ごそうとするか、あるいはその問題が存在しないかのように振る舞います。思考停止し、何もしないのです。いまは、まさしくその状態といえます。東京電力は、ロボット技術で核のゴミを処理しようとしていますが、間に合うでしょうか。
そんな状態を放置したまま、安倍政権は新しい原発を造ることすら視野に入れています。本来ならそうした”暴走”をチェックする役割を担っているはずのメディアが、時の政権権力の前に沈黙の自主規制をしています。一体、日本はどうなっているのでしょうか。
結局、私たちが立ち上がるほかないようです。夏の参院選は、安倍政権の暴走に歯止めをかけられるか、勝負です。ここでも敗退すると、日本はアメリカ型の社会へ変貌が加速されそうです。1%の富裕層と、99%の恵まれない大衆という、格差社会です。