生き生き箕面通信

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2013-01-10 07:07:20 | 日記

おはようございます。                                                                           生き生き箕面通信1480(130110)をお届けします。

・「オバマ大統領と会談したければ、TPP(環太平洋経済連携協定)参加のハラをくくって来なさい」とアメリカ

 安倍首相は「ロケット・スタート」を誇ろうともくろみましたが、逆にスタートからつまづきました。1月中の訪米にケチがついたのです。安倍首相がさも既定の事実のように語っていた1月中の訪米ができなくなったのです。アメリカ側は、「オバマ大統領の就任式の準備が忙しい」を理由にしています。しかし実は、「安倍首相がTPP参加のハラをくくるよう、アメリカ側が暗に求めている」との見方が出ています。

 オバマ大統領は2期目の今期中に、「歴史に残る大統領」として成果を出さなければなりません。ノーベル賞をもらった核兵器廃止では大した成果を出せない。となると、アメリカが沈没しかけている経済立て直しで、アメリカ国民から感謝されるような実績を上げるほかありません。なんとしても雇用を拡大して国民が自分の稼ぎで食べていけるようにしたい。そして、中間層を厚くし、国の安定を取り戻したい。

 そのためには、世界の成長センター、アジアの活力を取り込むことが欠かせない。なかでも、日本と中国の富を、アメリカに取り込む必要がある。他のアジアの国は経済規模が小さすぎて、アメリカの腹を満たすには遠くおよばない。といって、中国は意のままになりにくい。勢い、日本がターゲットになる。その日本には、独自の規制がいろいろとあって、アメリカの経営者が攻めるには障害が多すぎる。これを一気に取っ払うには、TPPに誘い込んで「原則、既成ゼロ」で攻めるのが手っ取り早い。

 というわけで、TPPに執着するアメリカの狙いは日本に照準が定まっています。

 にもかかわらず、安倍首相のTPPに関する発言は、「主張するべきは主張する」というものであり、自民党自体が、「ダメなら脱退すればいい」と、ノーテンキなことを言っている。そんな腰だめで会いに来てもらっても、何の成果も出せない。「やあやあ」と笑顔であいさつするだけなら、時間のムダ。

 安倍首相と側近が頭を絞っているのは、「どうしたら国民の目をごまかして、アメリカにTPP参加の意志を伝えられるか」です。いよいよとなれば、アメリカで「TPPP参加」を約束して、「これは国際公約」と国内は強引に従わせる方式を使うのでしょう。

 今後は、週刊誌や雑誌、あるいはテレビのさまざまな番組を通じて、「TPPに参加すれば、どれほどメリットがあるか」、あることないことてんこ盛りにして大々的なキャンペーンを繰り広げることが予想されます。日本経済を活性化するためのアベノミクスの実を上げるためにも、TPPが不可欠というシナリオになるはずです。

 TPPにからめ取られたら、日本はどんな日本に変わるのでしょう。長い歴史を通じて培ってきた日本の文化がねこそぎアメリカ流の文化に置き代わられそうです。60数年前のアメリカ占領以来、日本のアメリカナイズはとうとうと進められてきました。最後に残っているのが、農業や医療、教育の分野です。これらの分野も一気に崩してしまえ、とアメリカ。つまり、アメリカの日本占領の完成です。

 人々が支え合う社会はダメ。アメリカ流の競争社会が幅を利かす。自分の利益のために、何でも訴える訴訟社会に変貌させられます。そして、強いモノはより強く、富むモノはますます豊かに。弱いモノはより虐げられ、貧しいモノはより困窮を生きるようになります。そんな社会を次の世代に残してもいいものでしょうか。