おはようございます。
生き生き箕面通信1205(120327)をお届けします。
・平気で人をだます「東大の先生たち」――日本を壊す元凶
日本では、議論の共通基盤であるはずの「正義」という立場が無視さ
れるようになった、と感じていました。それは、「東大話法」がまかり通る
ようになったからだ、と気がつきました。
東大話法は、いまや国会討論で、学会で、あるいは記者会見で、花盛り
です。その最大の特徴は、「平気でうそをつく」ところにあります。この話術
を「気持ちが悪く、しかも危険」と指摘したのが、現役の東大教授。安富歩
(やすとみあゆむ)さんという49歳の東大・東洋文化研究所教授です。「原
発危機と『東大話法』」(明石書店)という本を出したところ、大変話題にな
る一方、多くの東大教授からバッシングを受けるようになったそうです。安
富さん自身が、今週の「週刊現代」(4月12日号)で明かしています。
東大話法に長けた人は、東大原子力工学の教授たち、東大出身の多く
の官僚や政治家たちをはじめ、日本中にはびこっています。この話術を巧
みに操る同類は、いまや東大出身者ばかりでなく、さまざまな分野で繁殖
を続けており、日本列島がおおいつくされる勢いです。
彼らは、ものすごく優秀な頭脳を持っていて、自分がおかしく見えない
ように振る舞うことができる技術のプロ。悪事や自分の本性を一切表に
出さないようにうわべを取り繕うのに長けた人間。「うわべを取り繕う天
才たち」です。
安富教授によると、東大話法の代表的な法則は、「自分の信念では
なく、自分の立場に合わせた思考を採用する」。つまり、信念などどう
でもよく、自分の立場が良くなりそうなものなら例え他人のアイデアでも
平気で自分の考えのように語ることができるのです。さらに――。
・どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々に話す
・常に傍観者の立場から話す
・わけの分からないみせかけの理屈を使って相手を煙に巻き、自分
の主張を正当化する
・「誤解を恐れずに言えば」と言って、ウソをつく
・自分の都合のいいように相手の話を捻じ曲げて解釈する
・都合の悪いことには見向きもせず、都合のよいことだけに返事をする
・スケープゴートを仕立ててこれを侮蔑することで聞き手を恫喝し、
迎合的な態度を取らせる
・自分の問題点を隠すために同種の問題を持つ人を力いっぱい批判する
頭脳明晰、成績優秀で、この話法を駆使できれば、鬼に金棒。他人を
手玉にとり、どうにでも料理できる。いま、国会では消費税増税でも、社
会保障政策でも、あるいはTPP、原発再稼働でも、この種の話術の天才、
つまり「ウソつき」が大活躍です。
そこでは、「社会正義」という語が死語にされ、神棚に祭り上げられて
ほこりをかぶっています。
「でも逆に、」と安富さんは、次のように語っています。「ここで『怖い』
『イヤだ』というような思いをストレートに言葉にできる人が増えれば、
逆転は始まると思うのです。実際、その兆しも出始めています。そうい
う人たちが政治家に選ばれて、大きな権限を持てるようになれば、国
は変わる。いまがその最後のチャンスだと、私は思っています」と。