おはようございます。
生き生き箕面通信1772(131029)をお届けします。
・愚直に正論を述べる亀井静香――その正論をバカにするマスメディアと風潮
「今の時代、欲望だらけで、金よ、金よの利益追求が極大に達している。新自由主義なんてその最たるものだ」と、亀井静香。朝日新聞の本日10月29日朝刊に掲載された、「私の悪人論」(オピニオンのページ、13面)に登場、相変わらず毒舌を吐いていました。
亀井さんの生きざまには多々共感しています。小沢一郎氏氏と同じく、日本の政界の「良心」だとすら敬意を表するくらいです。
一方、「申し訳ありませんでした」と、深々と頭を下げて見せる日本の主流を歩むトップたちの情けない姿。毎日、毎日、紙面を開けると、頭を下げています。
放射能汚染水が漏れる不祥事が続く東電のトップ。暴力団への融資を知っていながら長年にわたって放置してきたみずほ銀行の頭取ら。偽りのメニューで高い料金を得ていた阪急阪神ホテルズの社長たち。その傘下の「ザ・リッツ・カールトン大阪」でも、不適切なメニューがありました。
いずれも日本の一流企業にランクされていますが、そのトップがそろって、「知らなかった」「二度と過ちは繰り返しません」など、見苦しいいい訳を繰り返し、頭を下げ続けました。
「一流」と称されるブランドは、信用によってこそ保たれるものですよね。その超えてはならない一線をあっさりと超えさせる大きな力は、何なのでしょう。
亀井氏が「新自由主義」が問題とする指摘に、賛成します。新自由主義は、「市場に任せておけば、いわば神の見えざる手によって、しかるべきところに落ち着く」という考え方が根底にあります。だから、できるだけ規制を緩和して、自由な競争に任せるのがいい。しかし、実態はどうなったか。
新自由主義のもとでは、最大利益の追求に最大限のエネルギーをつぎ込みます。つまり、できるだけ儲けたモノが、勝者です。新自由主義のご本家、アメリカでは富める者はどこまでも富み、貧しいものはますます貧しくなる格差社会になりました。今も「1%vs99%」の対立は深刻です。
儲けさえすれば少々のことは許される社会。勢い、儲け至上主義に突っ走ることになります。一流企業もすべてその流れに乗ろうとしました。「カネ、カネ、カネ……」
亀井氏は、「(自分は)運輸大臣も建設大臣も自民党の政調会長もやった。利権のど真ん中よ。でも調べてもらえば分かる。ゼネコンなどから政治献金を受けたことは一切、ありません! フェアでないことはやらない」「地検に、亀井静香を捕まえられなかったのが最大の心残りだって言っている検事がいるんだって」と。
「政治家に必要なのはね、使命感と覚悟だ」「政治家がまなじりを決して、生体反応を起こさない国民を引っ張っていかないといけない。あなた任せだといけない」と、吠えまくっています。いかにも悪人の面目躍如というところでしょうか。
しかし、そんな正論を吐く政治家は、煙たがられ、マスメディアも一般の風潮もバカにします。日本は、マスメディアの状況が権力支配屈し、そのメディアの報道に影響されて、日本の国柄はまだ汚されていくのかもしれません。