生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1748 ・「富裕層が迫害されている」と、超富裕層――醜いアメリカの基底

2013-10-05 07:21:12 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1748(131005)をお届けします。

・「富裕層が迫害されている」と超富裕層――醜いアメリカの基底

 アメリカのSF映画「エリジウム」では、人類の未来の姿をあからさまに描いているそうです。

 実はまだ観ていないのですが、紹介されているあらすじでは、少数の富裕層が宇宙コロニー「エリジウム」に移住して高度な科学技術により老いや病から解放され、水と緑にあふれた理想郷に暮らしている。一方、大多数の貧民層は、荒廃しスラム化した地球に置き去りにされ、苛酷な労働と劣化した医療にあえいでいる。

 「『(アメリカの)富裕層は自分自身が迫害されている』と感じている」――朝日新聞が本日10月5日朝刊のオピニオン欄(13面)で、アメリカのノーベル経済学賞受賞者、クルーグマンの寄稿を掲載しました。

 クルーグマンはまず、アメリカの最富裕層の一人、AIGの最高経営責任者(CEO)ベンモシェ氏の言葉を紹介しました。異常なほど高額の賞与を受け続けたことが激しい社会的な反発を招いたのですが、ベンモシェ氏は、それを米南部の黒人リンチ事件になぞらえて、「(社会的な反発は)同じくらい邪悪で、同じくらい間違っている」と、断じたのだそうです。

 AIGはリーマン・ショック時に経営が行き詰まり政府から税金による巨額の救済金を受けた身でした。税金で助けてもらった身でありながら、目をむくような多額のボーナスを自らに”支給”してきました。

 アメリカの富裕層は、自分たちは特別な存在であり、特権待遇は当たり前だ、と心底信じています。だから、自分たちが納税した分が低所得者の福祉などに使われることには我慢ができません。そのうえ、当然と思っているボーナスを「もらいすぎ」と歩反されると、「われわれ富裕層は迫害されている」という意識になるわけです。

 現在のオバマケア(医療保険改革)に対する共和党の強い反発、予算を通さないほどの強硬な反対も、同じような考えが基底にあるといえます。

 そんなアメリカを追う日本。小泉・竹中路線の市場原理主義社会は、必然的に「エリジウム社会」へ導きます。

 アメリカ社会は「9・11」以降、大変貌を遂げました。1%の富裕層と99%の低所得庶民層にくっきりと二分されました。超富裕層が、自国をも容赦なく搾取してきたため、アメリカはいまやボロボロです。アメリカを搾取しつくしてきたため、富裕層は今や本気で「エリジウム」に移住したい気分なのでしょう。

 実際、そう遠くない将来、「エリジウム」もどきが造られるかもしれません。