生き生き箕面通信

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1745 ・大手紙は消費税増税をきちんと論評したでしょうか――国民生活を安心させる制度設計は置き去り

2013-10-02 07:43:42 | 日記

おはようございます。
生き生き箕面通信1745(131002)をお届けします。

大手紙は消費税増税をきちんと論評したでしょうか――国民生活を安心させる制度改革を置き去り

 「目的を見失ってはならぬ」が本日10月2日の朝日新聞社説の見出しでした。ほう、それならきちんと論評していると思うじゃないですか。

 ところが、中は財務省が強調した増税の必要性を説明しているだけ。国の借金がGDP(国内総生産)の約2倍になり、財政再建が「待ったなし」と強調。財政再建のためには、国民が幅広く負担する消費税の増税がふさわしい、と。

 そして、取った税はきちんと使え、という話に一足飛び。法人税減税に疑問を呈しているものの、さらっと触れる程度。中小企業が増税分を転嫁しやすくするインボイス(明細書)についても、「導入すべきだ」と簡単に指摘するだけで、迫力はまるでなし。

 「目的を見失ってはならぬ」と打ち出したからには、本来の社会保障制度の制度設計を安倍政権がサボり倒していることを厳しく批判し、まず「年金、医療、介護」の持続的な制度設計を急げ、と強調すべきだったのではないでしょうか。朝日の社説は、正しい論点をはずした「的外れ社説」というほかありません。

 片や読売新聞の社説は、「契機と財政へ首相の重い決断」という見出しでした。「重い決断」という語を使うこと自体が、「決断のむずかしい案件に真剣に向かい合い、思慮を重ねた末に出した結論」という意味合いを感じさせます。そのうえで、「首相がそれだけ考えに考え抜いた結論なら、私たち庶民はそれを受け入れざるを得ないよね」と、誘導する書きぶりです。

 そういえば、安倍首相は数日前に読売のドン、渡邉恒雄会長兼論説主幹と食事をし、首相から「消費税増税を発表した際は、どうぞよしなに」と、丁重に頼まれたようです。

 読売の社説は、「コメなどの生活必需品や新聞の消費税率を抑える『軽減税率』の方が、低所得者に持続的な恩恵が及ぶはずだ」と主張しました。「自民、公明両党は、消費税率を10%にする際に軽減税率の導入を目指すというが、来春の8%への引き上げ時に導入し、家計への負担を和らげるべきだろう」と、自分たち新聞業界はともかく税率を上げないでね、と注文を付けました。

 安倍首相は、法人税を減税することに熱心です。「企業の懐が温かくなれば、給料が上がる」と言っています。そんな甘いものではないでしょう。企業はすでに220兆円も貯め込んでいます。やる気があるなら、今年の「春闘時」にもできる力は充分にありました。しかし、やりません。サラリーマンの基本給は、今年8月まで14か月連続で減少しています。だけど、安倍首相は「企業には減税する」という。それを、朝日も読売も批判しません。

 これが、日本の「ジャーナリズム」の実態です。