生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1377 ・石原都知事の愚行が招いた反日デモの広がり

2012-09-16 07:39:34 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1377(120916)をお届けします。



・石原都知事の愚行が招いた反日デモの広がり



 日本企業の工場や日系デパートの一部が破壊されるなど中国の約50

都市で昨日9月15日も「反日デモ」が広がりました。日本車など日本製品

を標的にした破壊行為や不買運動も勢いを強めています。過去の教科

書問題などを上回る大規模なデモが起きています。大衆運動だけでは

ありません。中国政府自身が、海洋監視船6隻を尖閣諸島周辺に投入し、

日本の領海を侵犯しました。



 直接の原因は、日本による尖閣諸島の国有化です。「尖閣」は、日中

両国の極めてセンシブルな問題です。40年前の日中国交回復のときに

は、時の最高リーダー同士が「そっと棚上げし、解決は子孫の知恵に待

つ」としたものでした。その”寝た子”をわざわざ起こして得意になっていた

のが、石原慎太郎・東京都知事です。「政府がやらないから、オレがや

る」と、アメリカまで行って、「尖閣は東京都が買います」と世界に宣言し

てみせました。この行動が、中国を甘く見て、今日のような反日運動の

広がりを招くとは思いもしない浅慮だったわけです。石原知事には、責

任を取ってもらう必要があります。



 自民党の総裁選で、安倍元首相や石破前政調会長らは、「実効支配

を強化する必要がある」と主張しています。こうした意見は、火に油を注

ぐようなものです。



 中国政府は、間もなく開く中国共産党大会での政権移行を控え、”弱

腰”と映ることは避けなければならない。いきおい強く出る選択肢しかあ

りません。さらに、あさって9月18日は満州事変の発端となった「柳条湖

事件」を日本が起こしてから81年目の日であり、もともと反日デモが計

画されていました。柳条湖事件は、中国に駐留させていた関東軍が暴

走して満州鉄道を爆破し、その責任を中国側の仕業に押し付けた陰謀

で、日中戦争の戦端を開く元となった事件であり、「昭和」をダメにした

事件の発端でした。



 かつては、政治的な緊張が高まっても、経済の分野では活発な関係

が継続される「政冷経熱」といわれたものでした。しかし、今回は「政冷

経冷」となりつつあります。最悪の結果へ至るコースをたどり始めた感も

否めません。



 政治・外交的には、双方が冷静さを保つようにし、もとの「寝た子」の

状態へ戻すことが必要です。「オレの領土だ」などといわないことです。

「実行支配しなければならん」などと強がってみせないことです。しかし、

おそらく無理でしょう。寝た子はすでに起きてしまいました。日本企業が

撤退したりせざるを得なくなったあとは、韓国やアメリカなどの企業が

進出します。



 日本の経済にも大きな影響が予想されます。それより心配なのは、

日中関係が数年にわたって冷え込むことです。尖閣をめぐって衝突が

起きることです。日本側には、「いまなら中国に勝てる」などとバカをい

う人間が結構もてはやされています。間違ってもそんなアホな人間の

言動に惑わされないことが求められています。