生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1375 ・「核のゴミは処分のしようがない」と、お手上げの日本学術会議

2012-09-14 06:52:32 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1375(120914)をお届けします。



・「核のゴミは処分のしようがない」と、お手上げの日本学術会議



 「『この地震列島では、原発からの高レベル放射性廃棄物を地中に廃

棄する現行案は、とても安全とは言えない。白紙撤回も覚悟すべきであ

る』。他分野の学者の代表による日本学術会議が、こんな提言をまとめ

た」。この書き出しの本日9月14日の朝日新聞社説は、日本の最高の

頭脳を集めて討議した結果、「核のゴミ対策はない。お手上げです」とい

う結論にいたったことを伝えています。



 まさに「トイレなきマンション」。トイレのないマンションで、用を足してい

るのが、これまでの原発大国・ニッポンの姿でした。いや、これからもト

イレなきマンションを使おうというのが、原発ムラとタッグを組む野田政

権です。



 政府は、これまでに何年もかけて「核のゴミ」、つまり「使用済み核燃

料」の処分場探しを進めてきました。しかし、とっくに行き詰ってしまい、

打開策がないことは明瞭になっていました。ただ、予算がついているの

で、処分場探しをしているフリで税金をムダ遣いしているのです。



 学術会議が示した「代替案」なるものは、「高濃度放射性廃棄物を地

表か浅い地中に暫定保管する」というものです。同時に、新たな廃棄物

が出ないように「総量規制する」と上限を設けることを提言しています。

つまり、いままでの分は仕方ないから”野積み”し、新たに出ないようにし

ようというだけです。何のことはない、溜まった核のゴミは将来世代につ

け回しするだけです。



 本日の各紙朝刊はそろって、経団連の米倉弘昌会長が緊急記者会見

を開いて、「野田首相に直接電話をして、『原発ゼロは了承しかねる』と

伝えた」ことを報じています。福井県の西川一誠知事は、「もんじゅは廃

炉にする」ことを伝えにきた牧野聖修・経産副大臣に、「廃炉にするのな

ら(核燃料を)即撤去し、消費地に引き取ってもらう」と、強行に「廃炉反

対」を打ち出しています。



 一連の動きから浮かび上がってくるのは、政府の定見のなさ、それに

伴う統治能力の低さです。手っ取り早くいえば、「幼稚園生の政治」です。

政治の体をなしていない。



 急きょアメリカに派遣した長島昭久・首相補佐官や訪米中の前原誠

司・政調会長には、アメリカ側から「日本の原発ゼロ政策」に対して、

「米国にも重要かつ深い結果をもたらす」と強い懸念が示されました。

イギリスとフランスの駐日大使もそれぞれ官邸を訪れて、「原発ゼロ」

に懸念を示しました。「なんじゃい、約束がちゃうやろ」というのです。

これは、「多額のカネがかかる核燃料サイクルの研究と技術開発は

日本にやらせる」という欧米の戦略だったのです。欧米各国は、日本

が苦労して技術開発したら、その成果だけはちゃっかり用させてもらう、

という虫のいいシナリオだった。そのあてがはずれそうになって、圧力

をかけ始めたのです。



 結局、野田政権は国民向けには「原発ゼロ」をいいつつ、実態は「原

発継続」政策を続けざるを得ない。だから、原発ゼロは長期目標なの

です。期限を切っていませんから、ずっと「長期的には『原発ゼロ』とい

う目標を掲げておれる」という「のダメドジョウ」の得意のごまかしです。



 今日は金曜日。東京では官邸デモの日です。大阪でも関電を包囲

する「1万人アクションの日」です。粘り強い執ような運動が求められ

ています。