おはようございます。
生き生き箕面通信1364(120905)をお届けします。
・唯一可能は「誠意」とは
野田政権と原子力ムラは昨日9月4日も「原発の延命措置」に活発な
動きをみせました。
まず第一は同日開いた「エネルギー・環境会議」で、見せかけの「原発
ゼロ」を掲げつつその具体策は3年先の15年に示すとし、事実上の”棚上
げ”にしました。第二は、文科省が昨日、高速増殖炉「もんじゅ」の試験運
転再開費を概算要求に盛り込むことを決めました。「もんじゅ関連予算は
全体で200億円超にもなります。第三には、青森県が使用済み核燃料の
同県への搬入拒否を検討し始めました。第四は、日本原燃が同日、青森
県で進めていた使用済み核燃料の「ガラス固化試験」が順調に行われた
と発表しました。第五に、経産省が同日、関電の大飯原発3,4号機の再
稼働は今夏の電力不足をカバーするために必要で「妥当」だったとする
結論を政府の会議に提出しました。極めつけの第六は、原子力規制委の
人事を国会同意のないまま首相権限で決めるという、国会無視のやり方
です。
政府は選挙対策として「原発ゼロ」の文言を掲げられるようにしておく
代わりに、その実現のための具体策は先送りして、事実上、「原発推進」
を遂行するという姑息なシナリオにそって動いています。これが「野田政
治」の本質です。第二の「もんじゅ」は、財政難の折りにもかかわらず今
でも一日に巨額のムダ遣いをしている原発のための施設に、さらに巨額
の費用をつぎこもうというものです。第三の青森県の動きは、核燃料サイ
クル計画を展開させないために、青森県が政府をけん制するジェスチャ
ーです。第六の国会同意人事を、同意ないまま決めるというのは行政が
立法府の上に立つという三権分立の原則すらないがしろにする暴走です。
作家の池澤夏樹さんが昨日の朝日新聞夕刊に「唯一可能な『誠意』と
は」と題する寄稿で、福島原発事故に対し「国全体を覆うような大きな被
害に対して一企業は責任が取れるか? 国全体は責任を取れるか?」
と疑問を突き付けています。「息子の方を見ながら言うのですよ、きっと
あの子は福島の人としか結婚できないよ、って」という地元ジャーナリス
トの妻の話も紹介しています。「放射能雲の通った地域にいた方々は極
力結婚しない方がいいだろう」と講演で述べた公益財団法人・日本生態
系協会長・池谷奉文の話も記しました。福島県の人口は2040年には最
大38%減少するという同県の試算も書いています。領土問題には熱くな
るが、福島で失われようとしている国力には関心が薄れつつある現実。
池澤さんは、こう続けています。「それならば、せめて同じような事故が
決して起こらないよう、すべての原発を調査し、危険率の高いものから速
やかに廃炉の手続きを進め、代替エネルギーの開発に力を尽くし、可能
な限り早く原子力と手を切る算段をすべきではないのか。それがあなた
がたに可能な唯一の誠意ある態度ではないのか」
生き生き箕面通信1364(120905)をお届けします。
・唯一可能は「誠意」とは
野田政権と原子力ムラは昨日9月4日も「原発の延命措置」に活発な
動きをみせました。
まず第一は同日開いた「エネルギー・環境会議」で、見せかけの「原発
ゼロ」を掲げつつその具体策は3年先の15年に示すとし、事実上の”棚上
げ”にしました。第二は、文科省が昨日、高速増殖炉「もんじゅ」の試験運
転再開費を概算要求に盛り込むことを決めました。「もんじゅ関連予算は
全体で200億円超にもなります。第三には、青森県が使用済み核燃料の
同県への搬入拒否を検討し始めました。第四は、日本原燃が同日、青森
県で進めていた使用済み核燃料の「ガラス固化試験」が順調に行われた
と発表しました。第五に、経産省が同日、関電の大飯原発3,4号機の再
稼働は今夏の電力不足をカバーするために必要で「妥当」だったとする
結論を政府の会議に提出しました。極めつけの第六は、原子力規制委の
人事を国会同意のないまま首相権限で決めるという、国会無視のやり方
です。
政府は選挙対策として「原発ゼロ」の文言を掲げられるようにしておく
代わりに、その実現のための具体策は先送りして、事実上、「原発推進」
を遂行するという姑息なシナリオにそって動いています。これが「野田政
治」の本質です。第二の「もんじゅ」は、財政難の折りにもかかわらず今
でも一日に巨額のムダ遣いをしている原発のための施設に、さらに巨額
の費用をつぎこもうというものです。第三の青森県の動きは、核燃料サイ
クル計画を展開させないために、青森県が政府をけん制するジェスチャ
ーです。第六の国会同意人事を、同意ないまま決めるというのは行政が
立法府の上に立つという三権分立の原則すらないがしろにする暴走です。
作家の池澤夏樹さんが昨日の朝日新聞夕刊に「唯一可能な『誠意』と
は」と題する寄稿で、福島原発事故に対し「国全体を覆うような大きな被
害に対して一企業は責任が取れるか? 国全体は責任を取れるか?」
と疑問を突き付けています。「息子の方を見ながら言うのですよ、きっと
あの子は福島の人としか結婚できないよ、って」という地元ジャーナリス
トの妻の話も紹介しています。「放射能雲の通った地域にいた方々は極
力結婚しない方がいいだろう」と講演で述べた公益財団法人・日本生態
系協会長・池谷奉文の話も記しました。福島県の人口は2040年には最
大38%減少するという同県の試算も書いています。領土問題には熱くな
るが、福島で失われようとしている国力には関心が薄れつつある現実。
池澤さんは、こう続けています。「それならば、せめて同じような事故が
決して起こらないよう、すべての原発を調査し、危険率の高いものから速
やかに廃炉の手続きを進め、代替エネルギーの開発に力を尽くし、可能
な限り早く原子力と手を切る算段をすべきではないのか。それがあなた
がたに可能な唯一の誠意ある態度ではないのか」