生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信713 ・「憲法9条」を日本の宝から世界の宝へ

2010-11-19 06:28:18 | 日記
おはようございます。仙石官房長官は「自衛隊は『暴力装置』」と喝破しましたが、すぐ「ごめんなさい」と謝り、発言を撤回しました。まさしく自衛隊は「暴力装置」に違いないのですが、国会でそういっちゃあ、まずいでしょうね。
生き生き箕面通信713(101119)をお届けします。

・「憲法9条」を日本の宝から世界の宝へ

 菅政権は年内にも新しい「防衛計画の大綱」を策定しようとしています。内容は、武器輸出三原則の見直し、沖縄周辺諸島の防衛力強化を盛り込む時代錯誤的なものです。専守防衛を転換し、「敵」を機動的に叩くという「動的抑止力」の考え方に変わろうとしています。菅政権とは一体、何なのか。

 尖閣沖の中国漁船の問題以来、桜井よしこ氏ら保守を任じる人々を中心に「日本外交は弱腰だ」という批判が高まりました。それに対して、仙石官房長官が「しなやかな柳腰なのだ」と、訳のわからない答弁をしていたのはご承知の通りです。

 いま、日本国が進もうとしている「安全保障の道」は、極めて危険な分岐点に差しかかっています。

 昨夕、吹田市のメイプルホールで開かれた講演会で、「9条で平和はつくれるか?平和構築の現実」と題して伊勢崎賢治さんが「単に『9条を守れ』と叫んでいるだけでは、平和はつくれない」と問題を投げかけていました。

 伊勢崎さんは、いまは東京外語大教授で「平和構築学」という講座をもっていますが、若いころから国際NGOのスタッフとしてシェラレオネやアフガンなどで危険を冒して紛争処理や武装解除にあたってきた実務家でもあります。講座には、日本人学生はとらず、もっぱらアラブの学生が多いということでした。

 「”それ”はどこから始まるのか」という問題も出していました。”それ”とは、戦争のことです。戦争は軍隊が出動したときに始まるのではなく、それよりずっと以前に一般大衆の間に「敵意」という「民意」が高まってきた時から始まるのだ、と示唆していました。シェラレオネなどの現場体験から、「民意は人を殺す」という冷厳な事実を身にしみて感じたそうです。

 シェラレオネは、実は世界最大のダイヤモンド産出国であり、ほかにも貴重な資源が豊かで、人口割りのベンツ普及率は世界一だそうですが、一般大衆は世界最貧国の状況に置かれたままです。先進工業国が奪っているのも事実です。そして「100日間で100万人の虐殺が行われました。大量破壊兵器を使わずに、1日に1万人が殺されていったのです。対立する部族への敵意をあおられた大衆がこん棒やナイフで殺戮を行ったのです」と、報告していました。

 日本でも、「中国は危険だ、北朝鮮も危ない」と、民衆の敵意をあおり、「防衛大綱」は戦闘的なものへ大きく変貌しようとしています。それも「平和構築」を託したはずの民主党政権のもとでです。もちろんその後ろには、アメリカの強い意向が働いています。

 アメリカは、アフガン戦争を本格的に戦う戦略です。そして、折あらば、核開発を進めるイランを叩きつぶそうとタイミングをねらっています。その陰では、ユダヤ人国家「イスラエル」のホワイト・ハウス・コントロールが協力に作動しています。

 講演会では質疑応答の時間に年配の男性が、「われわれは平和を目指して『9条を守れ』という闘いをやってきたし、これからもそうしようと思っているが、それに何か文句があるのか」と問うていました。

 「9条を守れ」だけでもすまない状況が出てきており、菅政権を「弱腰だ」と批判するだけでもすまない現実があります。私たちはどう行動すべきでしょうか。伊勢崎さんは、「9条は日本の宝というだけではなく、世界の宝にしよう」と呼びかけていました。