生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信697 ・領土問題――ますますアメリカ頼みの日本

2010-11-03 06:14:04 | 日記
おはようございます。小沢征爾さんがウィン・フィルから「名誉団員」の称号を贈られ、日本の”文化度”の一面を世界に見せてくれました。日本も捨てたものじゃないと誇りに思わせてくれました。
生き生き箕面通信697(101103)をお届けします。

・領土問題――ますますアメリカ頼みの日本

 日本がショックを受けたメドベージェフ・ロシア大統領の国後島訪問。これに対し、アメリカが「北方領土に関して、米国は日本を支持している」(クロリー国務次官補)と表明してくれたことで、日本には「やはりアメリカは頼りになる」という気分が大きく広がっているようです。

 先に尖閣問題で、クリントン国務長官は「日米安保の適用範囲」と”力強い”見解を示してくれました。中国が「アメリカは余計な口出しをするな」と強く反発しても、一貫して日本を支持してくれています。クリントンさんはさらに「日米中3か国で友好関係強化を話し合う」協議の場を設ける提案もしています。

 アメリカは日本とロシア両国に「平和条約締結」も勧めています。

 いずれにせよ、「アメリカが味方してくれる。やっぱりアメリカや」というアメリカ頼みが日本国内では一気に盛り上がってきたように見受けられます。

 ところで、アメリカの真意はどこにあるのでしょうか。アメリカにとって対中国、対ロシア戦略は死活的重要な意味をもっています。そのなかで、「日本カード」は使える手持ち札という位置づけです。だから、日本がアメリカ離れするのではなく、手元に引きつけておいて日中、日ロ問題にもコミットする手がかりを保持しておく戦略です。

 加えて、日本に恩をうっておくことで、アメリカのいうことを聞くようにハンドリングする力をさらに大きくする狙いもあります。具体的には、例えば「思いやり予算」。現在は日本側が少しでも減額したいという提案をしたのに対して、アメリカは増額を要請し、ほぼ前年度並みに落ち着くところまできましたが、今回の「アメリカの支援」分が加算されて何らかの上積みになるのではないでしょうか。高くつきますよ。

 例えは悪いのですが、問題を解決しようとして暴力団に頼ればあとで必ず付けが回ってくるようなものです。

 何よりも高くつくのは、日本がますますアメリカ寄り、ありていにいえば”属国化”が進むということです。日本丸は自力航行の余地が極めて狭くなり、アメリカ丸の後ろからついていく、いわばえい航される状態が永続化されつつあるようです。

 日本は、「自分の国は自分で守る」という自立の原則を再構築するところからやり直さなければ、アメリカに守られている格好のなかで伊豆化に沈んでゆくのは間違いないのではないでしょうか。