生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信719 ・米韓同盟は機能しているか――日米同盟頼みは危険

2010-11-25 07:18:17 | 日記
おはようございます。日本のすぐ近くできな臭い動きがあるにもかかわらず、日本の人々はまだ自国の安全保障問題について真剣に考えようとはしないように見えます。「世界一のアメリカさまがついてござらっしゃるから、日本は大、大、大丈夫なんじゃ」と大船に乗っている気分のようです。果たしてこれからもそうでしょうか。
生き生き箕面通信719(101125)をお届けします。

・米韓同盟は機能しているか――日米同盟頼みは危険

 北朝鮮による今回の延坪島(ヨンピョンド)砲撃に対し、世界は事態をどう判断し、日本はどう対応すべきでしょうか。

 まず米韓は「北」への圧力を強めるため、黄海での軍事演習を28日から来月1日までの4日間行うこととし、アメリカは空母ジョージ・ワシントンを昨日、母港の横須賀基地から出港させました。きな臭さが一段と濃くなってきました。

 日本は、全閣僚による対策会議を立ち上げました。しかし、実態は何をすることもできません。せいぜい朝鮮学校への授業料実質無料化を棚上げしようと検討する程度です。この「棚上げ」は、朝鮮学校へ通う子供たちに北朝鮮系が多いということから「制裁」の意味合いを持たせた措置です。とんでもないことです。今回の「北」の砲撃で、朝鮮学校へ通う子供たちや親たちに迷惑を押しつけて、「制裁」のメッセージ代わりにするなど馬鹿げています。そんなことはすべきではない。日本は国連でどう対処すべきかを論じて、平和の回復に全力を傾けるべきではないでしょうか。

 その国連ですが、韓国は安保理で取り上げる要請を見送ったようです。先日の哨戒艦沈没問題で思う結果が得られなかったからというのです。安保理自体も当面は水面下での調整が続くようで、表向きは静観です。一見、国連は機能していないように見えます。

 「北」に大きな影響力を持つとみられる中国は、どう動くのか。今朝の朝日は北京特派員電として「(中国は)朝鮮半島情勢の安定のためには、制裁などで圧力を強めるより、経済協力を促進させて安定化を図る方が現実的と考えている」と伝えてきました。次期最高指導者の地位を固めた習金平国家副主席は、韓国の強い反発があるにもかかわらず、北朝鮮で開かれた朝鮮戦争60周年式典に出席し、「侵略に立ち向かった正義の戦争だった」とまで言及して、中朝関係の重みを訴えた、とも報じています。ぼくはこの中国の経済協力を促進して、「北」の安定化を図る方が現実的という考え方に全面的に同意します。

 アメリカは空母まで動員して何をしようというのでしょうか。中国は黄海での軍事演習に反発しています。両大国のにらみ合いがただではすまないほどの緊張が高まりつつあります。一種のチキン・ゲームの様相です。ぼくは、黄海が完全に中国の制海権下に置かれることには絶対に反対です。しかし、パワーゲームも展開してほしくない。アメリカはマッチョの国。筋肉ムキムキマンです。「言うことを聞かないのなら、やってしまえ」です。織田信長流の「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」。しかし、秀吉流の「鳴かぬなら鳴かせてみよう」と知恵を絞る道もあり、家康流に「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」の道もあるはずです。

 「アメリカはいまこそ本来持っているはずのソフトパワーを全開してもらいたい」と望みます。米韓同盟で武力行使などはあってはならない。つまり、軍事同盟などあまり役に立つものではない時代に入ったことを認識すべきです。ひるがえって、日米同盟も幻想を持ち続けるとえらい目にあう、と冷静に見る目が求められています。