おはようございます。「かじりつく石が『辞めろ』と言っている」(本日のよみうり川柳)。菅さんにかじりつかれる石がかわいそうです。
生き生き箕面通信710(101116)をお届けします。
・「2012年」へ向けてうごめくナショナリズムのマグマ
日本(横浜)を舞台にしたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が終わりましたが、出席したアメリカ、中国、ロシアのリーダーは、それぞれがアジアの取り込みを狙って外交を展開し、日本の菅さんは主催国ながら極めて影の薄い活躍ぶりでした。
「新帝国主義の時代」に入ったといわれるようになりました。アメリカ、中国、ロシアを中心に「21世紀の世界の食糧、エネルギー、資源、水」をめぐって、激しい囲い込みの時代に入ったというわけです。
その3国では、2012年にそろってトップの選挙あるいは交代の時期を迎えます。
アメリカではオバマ大統領が、2年後の2012年大統領選挙へ向けてどのような手を打ってくるか。中間選挙で大敗しただけに、よほど有権者にアピールするスローガンを掲げなければなりません。もう「チェンジ」なんて抽象的なことばのごまかしでは通用しない立場です。共和党側には、「ティー・パーティー」という極めてナショナリズム感情の強いうねりが起こっています。経済力を復活させるにはアジアの取り込みが戦略的に重要です。
中国では胡錦涛主席の後継として習金平氏を副主席に昇格させ、2年後には表向き政権交代します。しかし、胡錦濤氏は主席のポストを降りても、軍をにぎって権力を維持し続けようとします。毛沢東、あるいは小平氏が実力者として君臨し続けたように、たとえ無役になっても軍さえ握っておけば、引き続き権力を行使できるのです。その中国軍は、独自に太平洋の制海権を抑えようと動き出しています。いずれにしても、胡錦濤vs習金平の熾烈な権力争いが展開される時期に入りつつあります。その場合も、ナショナリズムに訴えて軍と国民を味方につける手法がより前面に出てくる可能性があります。
ロシアでも同様の状況です。2年後の大統領選挙を控え、メドベージェフ氏は、再選されるためには、プーチン首相を超える実績を上げなければなりません。日本と事を構え、北方領土で「強い大統領」を演出することが、とりわけ領土問題に固執するロシア国民のナショナリズムに触れるのです。
アメリカは「ナビゲーション・フリーダム」、つまり海洋の自由を掲げて、世界の「海洋の覇権」を確固なものとしてきました。ところが近年、西太平洋で中国の戦艦数隻がアメリカの戦艦を取り囲み、海域から追い出そうとするような事態が起こりました。アメリカにとっては、第2次世界大戦を除いてそのような状況は予想もできない事態でした。
フランスもサルコジ大統領が2年後の再選を目指して動き出しています。
日本では、「通貨安」などと生ぬるい表現ですが、世界の実態はまさに「通貨戦争」が熾烈な闘いに入っています。ここでも日本は事態の深層が理解できないまま、「円」は通貨マフィアの格好の投機対象とされ円高に振り回されて右往左往するばかりです。
新帝国主義時代を生き抜く日本の道は、それを切り開けるリーダーいかんにかかっています。
生き生き箕面通信710(101116)をお届けします。
・「2012年」へ向けてうごめくナショナリズムのマグマ
日本(横浜)を舞台にしたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が終わりましたが、出席したアメリカ、中国、ロシアのリーダーは、それぞれがアジアの取り込みを狙って外交を展開し、日本の菅さんは主催国ながら極めて影の薄い活躍ぶりでした。
「新帝国主義の時代」に入ったといわれるようになりました。アメリカ、中国、ロシアを中心に「21世紀の世界の食糧、エネルギー、資源、水」をめぐって、激しい囲い込みの時代に入ったというわけです。
その3国では、2012年にそろってトップの選挙あるいは交代の時期を迎えます。
アメリカではオバマ大統領が、2年後の2012年大統領選挙へ向けてどのような手を打ってくるか。中間選挙で大敗しただけに、よほど有権者にアピールするスローガンを掲げなければなりません。もう「チェンジ」なんて抽象的なことばのごまかしでは通用しない立場です。共和党側には、「ティー・パーティー」という極めてナショナリズム感情の強いうねりが起こっています。経済力を復活させるにはアジアの取り込みが戦略的に重要です。
中国では胡錦涛主席の後継として習金平氏を副主席に昇格させ、2年後には表向き政権交代します。しかし、胡錦濤氏は主席のポストを降りても、軍をにぎって権力を維持し続けようとします。毛沢東、あるいは小平氏が実力者として君臨し続けたように、たとえ無役になっても軍さえ握っておけば、引き続き権力を行使できるのです。その中国軍は、独自に太平洋の制海権を抑えようと動き出しています。いずれにしても、胡錦濤vs習金平の熾烈な権力争いが展開される時期に入りつつあります。その場合も、ナショナリズムに訴えて軍と国民を味方につける手法がより前面に出てくる可能性があります。
ロシアでも同様の状況です。2年後の大統領選挙を控え、メドベージェフ氏は、再選されるためには、プーチン首相を超える実績を上げなければなりません。日本と事を構え、北方領土で「強い大統領」を演出することが、とりわけ領土問題に固執するロシア国民のナショナリズムに触れるのです。
アメリカは「ナビゲーション・フリーダム」、つまり海洋の自由を掲げて、世界の「海洋の覇権」を確固なものとしてきました。ところが近年、西太平洋で中国の戦艦数隻がアメリカの戦艦を取り囲み、海域から追い出そうとするような事態が起こりました。アメリカにとっては、第2次世界大戦を除いてそのような状況は予想もできない事態でした。
フランスもサルコジ大統領が2年後の再選を目指して動き出しています。
日本では、「通貨安」などと生ぬるい表現ですが、世界の実態はまさに「通貨戦争」が熾烈な闘いに入っています。ここでも日本は事態の深層が理解できないまま、「円」は通貨マフィアの格好の投機対象とされ円高に振り回されて右往左往するばかりです。
新帝国主義時代を生き抜く日本の道は、それを切り開けるリーダーいかんにかかっています。