生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信696 ・ロシアの北方4島”実効支配”は漂流「日本丸」の帰結

2010-11-02 06:18:51 | 日記
おはようございます。アメリカとは普天間基地問題、中国とは尖閣問題、そして新たにロシアと北方領土問題を抱え込み、菅・前原コンビでは小結が一度に3横綱を相手にするようなものです。
生き生き箕面通信696(101102)をお届けします。

・ロシアの北方4島”実効支配”は漂流「日本丸」の帰結

 ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問は、日本の国民の領土意識が低ければその隙をついて「領土を奪われることが今も現実にある」という事例だと受け取っています。

 ロシアは明確な国家の意志を持って、北方4島をロシア領土とするという戦略を実行に移してきました。それに対して、明確な意志を持たず、いわば放置した日本側は、ロシアにいいようにあしらわれているという構図になります。

 戦略を持つ者と持たざる者の歴然たる帰結といえます。

 本日の社説は、朝日が「交渉の成果を無にするのか」という見出しで、ロシア側の動きを「乱暴なやり方だ」と批判。そのうえで、「大国意識の強いロシアを相手に『固有の領土』などの正論を繰り返すだけでは、関係は進めにくい」と指摘しています。

 しかし、例えば第1段階としてまず「2島返還」から始めようとした戦術は、「4島一括返還論」の原則論に吹っ飛ばされてきました。鈴木宗男氏の「2島先行返還」を葬ったのは朝日でもあります。

 そしてわたしたち国民が、「まず2島の返還」という一つの現実論を拒否したのでした。国民世論は「4島一括」から一歩も出ることがないまま今日の事態を迎えたといえます。

 ぼくは、民主党外交、とりわけ前原外交は「失敗で有害」と考えますが、前原外交を支えている底流には、いわゆる「国民世論」があります。

 読売の社説は「露にも足元を見られた民主外交」という見出しをつけましたが、新聞にも大きな責任があります。ロシアがメドベージェフ大統領の北方領土訪問の動きについては軽く見て、ほとんど問題にしてきませんでした。

 実際に大統領が国後島を訪れて初めて、その重大性に気がついたような紙面づくりです。こうしたぬかったジャーナリズムが、関心の弱い世論を形成していることにつながっています。

 今月中旬に横浜で開かれるAPECには、メドベージェフ大統領もやってきます。菅さんはどんな顔して迎えるのでしょうか。笑顔で握手をするのでしょうか。笑顔で握手しながら、菅さんは「北方領土についての交渉再開」をきちんと表明できるでしょうか。