生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信300 ・試される哲学「コンクリートより人へ」

2009-09-22 07:15:45 | 日記
おはようございます。季節の変わり目、まだ朝顔がいっぱい咲いているところがありました。
生き生き箕面通信300(090922)をお届けします。

・試される哲学「コンクリートより人へ」
 八ツ場ダムの本体建設中止が、当面の大きな政治課題として浮上してきました。新政権が掲げる「コンクリートより人へ」の理念に基づき、前原誠司国交相は「政権公約(マニフェスト)にも書いてある通り、建設を中止する方針は変わりません」と明瞭に言い切りました。前原国交相の手腕が問われる問題ともなっています。

 ぼくの立場は、なんとしても「コンクリートより人へ」の転換を図るべし、というものです。

 ただ、住民の感情を逆なでするような物言いは、絶対に避けなければならない。その意味では、あまり明瞭に「中止はありえない」と断言した態度は、支持する側には拍手喝采の反面、地元で苦労して建設へこぎつけた考える人たちの神経を逆なでしたことは事実だと思います。これは成田空港建設にあたって強権発動的な国の態度が地元感情を逆なでし、その”ボタンの掛け違い”が後々まで「成田闘争」としてこじれた経過を思い出させます。

 総合的な判断から「これが正しい」と国が判断しても、地元感情には理解が進むまで丁寧な対応が欠かせません。双方に信頼関係がなければ、進むものも進まない。このことは、今までいやというほど目にしてきたことであり、その教訓を民主党は活かさなければ、「?」、何してんだ、です。

 いまぼくは、前原さんの「若さ」あるいは「優等生」の側面が気になって仕方ありません。かろうじての救いは、「地元の理解が得られるまで、建設中止の手続きは進めない」と文書で地元へ伝えたことです。これを地元がどう受け取るか、前原さんは明日に現地視察と住民説明会の開催を予定していますが、成り行きが注目されます。「成り行き注目」はNHK的常套句ですが、実際、注目しているのです。

 政治は「哲学」であり、「理念」が重要です。しかし、住民感情も同じように大切にしなければ、たちまち「強権政治」の様相を帯びてしまう。そこが民主主義の根幹だと思うのです。哲学を実現するための「手続き」に細心の丁寧さが欠かせません。

 民主党がその丁寧さをどのような形で政治への信頼感醸成に結びつけることができるか、八ツ場ダムは試金石になってきました。