生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信 ・「市場原理主義」から「社会民主主義」への転換を

2009-08-05 06:22:54 | 日記
・「市場原理主義」から「社会民主主義」への転換を
 各党のマニフェストが公表されたのを機に、「この国の形」あるいは「国家像」について論議を深めたいと発信してきました。

 しかし、まず現在の政権政党である自民・公明がこの日本をどんな姿にしていこうと考えているのか、全く見えません。麻生首相は「政策選択選挙」をキャッチフレーズに、財界団体や業界団体を回り支持を訴えていますが、いまだに目の前の課題について”ばらまき的”な個々の公約をお披露目する域を脱していません。しかも、何代も国民の信託をあおがず、いつの間にか郵政をはじめとする構造改革から政策を転換した無責任さを棚に上げて、「どの党が政策に責任を持ちうるか、責任力を問う」と演説してまわっています。この男の厚顔無恥さ加減はいつものことながら、こちらが恥ずかしくなってしまいます。

 世界は「社会民主主義」の方向へ向かいつつあるといえます。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドなどの北欧諸国は年季の入った社会民主主義路線の蓄積で世界からうらやまれる国づくりをしてきました。

 ヨーロッパのフランス、イギリス、ドイツなどでも社会民主主義の勢力は政権を担当するくらいの力を持っていることは、ご承知の通りです。

 南半球では、南米諸国がアメリカのCIAなどの執拗な陰謀・工作にもかかわらず、社会主義路線です。オーストラリアのケヴィン・ラッド首相が「これからの世界経済は社会民主主義以外に道はない」と明言していることは、この箕面通信139(090409)でもお伝えしました。

 日本では「社会民主主義」というと、故西尾末広・衆院議員が掲げた路線がなんとなくいかがわしさを感じさせ、その後あまり人気がありません。西尾氏は社会党右派の大物でしたが、戦前には昭和13年の国家総動員法審議にあたって時の宰相、近衛文麿首相に対し「ヒトラーのごとく、ムッソリーニのごとく、あるいはスターリンのごとく確信に満ちた指導者たれ」と激励演説をして当時ですら大問題になったこともありました。

 それはともかく、社会民主主義と社会主義はどこかどう違うのか、何が根本理念か、などまだ理解は深まっていないのが現状だと思います。しかし、こころある人たちはこうした点をもっと掘り下げ、仮に民主党政権ができた場合は、しっかりした「国の形」を作っていく一助にしたいと思います。