おはようございます。
生き生き箕面通信238(090717)をお届けします。
・市場原理主義下の大学運営
「聖トマス大生受け入れ」というベタ記事が本日(7月17日)の読売朝刊2面に出ていました。わずか10行程度の記事は「来年度から学生募集を停止する聖トマス大(兵庫県尼崎市)は、転学を希望する在学生の受け入れ先として、同じ尼崎市内にキャンパスがある関西国際大と連携協力協定を結んだ」と伝えています。
「小泉構造改革」で、アメリカの要求を受け入れ、大学経営に市場主義を持ち込む政策を進めました。その結果、国立大学はすべて独立法人に衣替えさせられ、独立採算、つまり必要な資金はそれぞれが努力して集める方式になりました。政府は大学に回すカネを節約して、他に回そうというものです。
そのかわり、経営のやり方しだいでは利益が期待できるようにしたので、アメリカの大学を名乗る事業主体がいくつか、日本進出を果たしました。しかし、「英語教育による国際人養成」に一度は人気が出ましたが、結局は行き詰まり、ほとんどが撤退せざるを得ませんでした。
もとから日本にある大学も、市場主義のもとでは経営が行き詰まり”倒産”するところももっと出てくるでしょう。少子化はさらに進みますから、整理淘汰は必然です。名門大学も経営実態は火の車のところが多い。
一方、フランスでは、サルコジ大統領が、遅ればせながら大学経営に市場原理主義を持ち込むことにしたそうです。大学独立化法が制定されたのは07年ですが、具体的な政策が今年から施行されるのです。最大の狙いは、大学教員の人件費削減策です。研究業績に応じて各教員に講義ノルマを課すことにし、博士号を持たず、英語など一般教養を担当する教員は研究者とは認められず、2倍の講義ノルマが課せられるなどになったのです。
バカロレア試験に合格すれば大学入学は簡単で、授業料もほぼ無料というフランスの大学制度は大きく変わろうとしています。最も懸念されるのは、業績が上がったとみなされる「人気分野」に集中し、不人気なテーマがますます敬遠されて消滅していく。つまり、大学の多様性が大きく損なわれようとしているのです。
これからの地球の運営には、人材こそポイントのはずです。しかし、目先のポピュリズムで方向が決まりそうです。
根幹には、人類がどうすれば平和裏に生存できるのか、という哲学を欠いたまま、パワーゲームが進んでいることにあります。生存競争は、資源確保競争などを激化させ、いすれ自滅へ走り出すことにならざるを得ない予感がします。それを救う道の一つは、繰り返しになりますが、人材教育にあるはずです。が、ここでも市場原理主義が幅を利かせるようでは、う~んとうなってしまうばかりです。
■本日開催です
「私たちの税金・箕面市の財政について考え、意見を出しましょう」の集い
・と き : 7月17日(金)午後7時~9時
・ところ : 市民会館(グリーンホール/市役所西)2F大会議室
・主 催 : 市民派ネット(無所属市会議員/尾上てるみ、北川てる子、中西とも子、森岡秀幸)
・連絡先 : 072-724-6703
*市役所に市民が意見を表明するパブリック・コメントの期限は、7月21日です。
生き生き箕面通信238(090717)をお届けします。
・市場原理主義下の大学運営
「聖トマス大生受け入れ」というベタ記事が本日(7月17日)の読売朝刊2面に出ていました。わずか10行程度の記事は「来年度から学生募集を停止する聖トマス大(兵庫県尼崎市)は、転学を希望する在学生の受け入れ先として、同じ尼崎市内にキャンパスがある関西国際大と連携協力協定を結んだ」と伝えています。
「小泉構造改革」で、アメリカの要求を受け入れ、大学経営に市場主義を持ち込む政策を進めました。その結果、国立大学はすべて独立法人に衣替えさせられ、独立採算、つまり必要な資金はそれぞれが努力して集める方式になりました。政府は大学に回すカネを節約して、他に回そうというものです。
そのかわり、経営のやり方しだいでは利益が期待できるようにしたので、アメリカの大学を名乗る事業主体がいくつか、日本進出を果たしました。しかし、「英語教育による国際人養成」に一度は人気が出ましたが、結局は行き詰まり、ほとんどが撤退せざるを得ませんでした。
もとから日本にある大学も、市場主義のもとでは経営が行き詰まり”倒産”するところももっと出てくるでしょう。少子化はさらに進みますから、整理淘汰は必然です。名門大学も経営実態は火の車のところが多い。
一方、フランスでは、サルコジ大統領が、遅ればせながら大学経営に市場原理主義を持ち込むことにしたそうです。大学独立化法が制定されたのは07年ですが、具体的な政策が今年から施行されるのです。最大の狙いは、大学教員の人件費削減策です。研究業績に応じて各教員に講義ノルマを課すことにし、博士号を持たず、英語など一般教養を担当する教員は研究者とは認められず、2倍の講義ノルマが課せられるなどになったのです。
バカロレア試験に合格すれば大学入学は簡単で、授業料もほぼ無料というフランスの大学制度は大きく変わろうとしています。最も懸念されるのは、業績が上がったとみなされる「人気分野」に集中し、不人気なテーマがますます敬遠されて消滅していく。つまり、大学の多様性が大きく損なわれようとしているのです。
これからの地球の運営には、人材こそポイントのはずです。しかし、目先のポピュリズムで方向が決まりそうです。
根幹には、人類がどうすれば平和裏に生存できるのか、という哲学を欠いたまま、パワーゲームが進んでいることにあります。生存競争は、資源確保競争などを激化させ、いすれ自滅へ走り出すことにならざるを得ない予感がします。それを救う道の一つは、繰り返しになりますが、人材教育にあるはずです。が、ここでも市場原理主義が幅を利かせるようでは、う~んとうなってしまうばかりです。
■本日開催です
「私たちの税金・箕面市の財政について考え、意見を出しましょう」の集い
・と き : 7月17日(金)午後7時~9時
・ところ : 市民会館(グリーンホール/市役所西)2F大会議室
・主 催 : 市民派ネット(無所属市会議員/尾上てるみ、北川てる子、中西とも子、森岡秀幸)
・連絡先 : 072-724-6703
*市役所に市民が意見を表明するパブリック・コメントの期限は、7月21日です。