カルテ番号 お・11(8)
「その一つに、病気を勝手に治してはいけない、という言葉があります」
病気を治してはダメ?どういう意味?
「最初は私も解りませんでした。苦しんでいる病気は治して当然だと思っていたから」
大空晴美は続く言葉を待った。
「10年も経って、やっと意味が理解できてきました」
何かが、そこまで来ている。
「大切なのは、病気治しではない。それまでも同じ言葉を何回も聞いていたのですがね」
陽水は両手を軽く大空晴美の両膝に触ったまま、ゆっくり話を続けた。
「その人の生き方、選んだ道は尊重する。そんな当たり前の話でした」
大切な何かは感じるが、大空晴美の理性は納得していない。
「間違いがあれば正す、困っていれば手を貸すのが人と人の関わりじゃないのですか?」
「その人が望むならね」
苦しんでいる、困っているなら助けて欲しいと誰でも望んでいるはず。
何も言わなくても手を貸すのが正しいあり方だと晴美は思っている。
陽水は大空晴美の思っている事に沿って言葉を繋いだ。
心の中、頭の中を覗いたわけではない。こういうタイプは同じ思考をするからだ。
「私はね、正しい道なんて無いと思っています。いや、あるかもしれないが、自分では判断できない大きさや深さだと思っています」
そして、笑って言った。
「苦しみや病が間違いだなんて私には解らないし、勝手に干渉するほど傲慢に生きられない」
その最後のところが大空晴美には理解できない。病は無くすモノじゃないの?
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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