伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
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度会郡度会町南中村の「鸚鵡石」(おうむいわ・おおむいし)

2014年05月02日 | 石のはなし

度会町南中村の「鸚鵡石」

 伊勢の国は、昔、勢州と言い、今の三重県の北勢地方から、広く中・南勢までを呼称した。又、志摩の国は、鳥羽も含めて志州と称した。伊勢には皇大神宮が鎮座し、参宮街道が発達するにつれ、街道筋の史跡や寺社仏閣はもとより、昔時の旅人が里村の目印などにしたであろう経塚や祠、巨岩・怪石、巌などは、巨木と共に地元民にも崇められ、神聖視されて来たものが少なくない。
 これらは、江戸時代の旅行案内書である「名所図会」や「名勝誌」などに詳しく記され、特に伊勢神宮界隈の謂れ石や名物岩に至っては、漏らすことなく取り上げられている。
 その中に、「鸚鵡石」(おうむいわ・おうむいし)があり、志摩市磯部町恵利原の和合山のものが有名であるが、奥伊勢の度会町南中村にも類似のものがある。

林道際の鸚鵡石への登り口 先月、同所川上の「乙女岩」に登った帰りに訪ねてみた。藤越えに至る分岐路を過ぎ、県道22号線を能見坂の方に車を少し走らせると、道路の右側に鸚鵡石への道標があり、これに従って田んぼをよぎり、鉄製のゲートのある林道の上り口へと進む。この扉には、開けて入るようにと、「鸚鵡石への案内書き」があり、仮舗装の林道を300m程登ると、道端に案内標識のある鸚鵡石への上り口の階段に至る。そばに、
 「世の人の 心のささえ おふむ石」
と詠んだ句碑がある。

登り口にある句碑 車を降りて、登山道のような九十九折の山道を登ってゆくと、途中に清水の湧く水場があり、グラスのコップが用意されている。この水は、乾いた喉には最良の自然水である。道の要所にはそこの案内書きがあって、整備は実にゆきとどいている。歩くこと約10分、磯部町の鸚鵡石に似たチャートの岩壁(露岩)にたどり着く。ここには、巌を望む位置に椅子が置かれているものの、全く人の気配が無く、午後の眩しい木漏れ陽と、時折そよぐ小風のざわめきだけの、奥伊勢の隠れた名所である。遠くで鳴く野鳥のさえずりが、森閑とした雑木の山間に聴こえるのみである。

山道の途中にある水場

鸚鵡石に声をかける腰掛岩

鸚鵡石の上からの眺望

 一通り見物をし終え、登って来た山道を下りながら、我輩も短歌を詠んでみた。   「春暖の木漏れ陽のどか鸚鵡石 訪うは野鳥と風のざわめき」 (夏穂)

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