今年は、年頭から 「新型コロナウイルス」 感染への予防対策で、外出を控えたまま1月が経過し、2月になったものの、真冬日の寒さのせいもあって、ずっと自宅に閉じ籠りがちであった。
三重県も、未だに感染者数が激減せずに、海外で開発されたワクチンの接種を待ち望みながら、気が付けば早や2月も下旬となった。
「春寒料峭」 と言った春先の一昨日と昨日の2日間は、東シナ海から張り出して来た亜熱帯性の温暖高気圧に覆われたせいなのか、春暖を通り越し、一気に初夏さながらのホカホカ陽気の好天に恵まれ、日中は汗ばむような日射しであった。
このまま暫くは、この暖気が続くのかと思っていたら、2月 23 日の祭日 ( 天皇誕生日 ) は、朝から冷たい西風の身に染入る 「寒の戻り」 となった。
この暖冬異変の好天に外出しないではいられず、昨日の 22 日は、一昨年よりずっと気になっていた火打石 ( 度会郡度会町 ) の彦山川 ( 一之瀬川の支流 ) に行ってみようと、午前 10 時過ぎに自宅を出て、いつものように車を走らせた。
ここへは、かつて 2018 年8月3日 に、真夏の渓流を探検すべく出かけ、半分程谷川を歩いた。 この時の事は、その後の8月7日に、 「 8月に入って、連日の猛暑に耐えられず、彦山川を探検 ! 」 と題した記事を、ブログに投稿させて頂いた。
彦山川は、全長4~5km 程の渓流に富む谷川である。 又、彦山川からは水石になるようないろんな転石が産し、奥伊勢地方きっての「名石谷」でもある。
石質の佳い石も豊富で、鎧石や伊勢赤石、天然記念物の 「燧石」 類似の珪質岩 ( 青白硅石 = 白チャート ) の他、伊勢古谷石系の泥質岩や珪質石灰岩、紫雲石や龍眼石などの輝緑凝灰岩に石灰岩と、秩父塁帯を構成する堆積岩の転石が多種多様に及び、時に青玉石化した層状脈を介在する石質の優れた特異な 「化け鎧石」 や、形状の佳い「滝石」 「段石」 「遠山石」 などの山水景石が産するので、目が離せない。
かつてブログに記したように、2018 年の夏には、一之瀬川に架かる天祥橋から彦山川右岸の火打石林道に入り、その中ほどの林道沿いにある、炭焼き窯 ( 人家小屋 ) の少し先の堰堤までの探検であった。
その先は、「燧石」 に向かう左手の支流谷への分岐点の小橋まで、600 m 程仮舗装の林道が続くが、渓流に架かる小橋から先は、普通車がやっと通れる程の未舗装のガタガタ道となり、彦山川の左岸に沿ってずっと続く。
小橋の対岸には、すぐ横の小規模な採石場を営む民家 ( 丸石石材 ) がある。
三重県指定の天然記念物の 「燧石」 ( ひうちいし ) へは、道端の表示板に従って、ここから左手の支流谷沿いの山道を、1km 程徒歩で遡ればたどりつける。
この先のガタガタ道路の林道は、彦山川を左手に見下ろしながら、緩やかな左岸の上り坂となるが、途中にガードレールの小橋とその先にコンクリートの小橋があり、二度目に渓流を渡ったすぐ先の分岐路を左手に下れば、間もなく車止めスペースのある終点に行き着く。
「燧石」 への山道の分岐点からの距離は、約 900 m で、林道の全長はおよそ 3.2 km である。
この日は、やや水量が多かったものの、林道の終点まで車を乗り入れ、少し先の岩盤を穿つきれいな細滝の流れ ( 冒頭に掲載 ) を写真に撮ったあと、付近の谷川の転石を眺めながら散策し、目についた手ごろなサイズの 「水石」 ( 以下の掲載写真 ~ 左右幅 15cm ~ 20cm ) 3個を揚石しただけで、昼過ぎには引き返した。