祭日の 「勤労感謝の日」 までの三連休が過ぎ、霜月もあと数日となったこの処、ずっと小春日和が続いている。 伊勢市の市街地は、 「 Go To キャンペーン 」 で来訪の観光客らの歩く姿も殆ど無くなり、通勤・通学の時間帯を除いて、人通りがめっきりと減った。
スーパーに買い物に行くと、早々とクリスマスや正月の B.G.M が流れている。
師走の足音が迫る中、見頃となった紅葉を眺めに、伊勢市内から少し先の近郊まで、なるべく人のいないスポットに出かけてみた。
御幸道路を始め、市街地の色づく街路樹は悉く枝払いをされ、晩秋の紅葉の映える並木路は全く無くなってしまった。
以前は、厚生小学校横の 「月夜見宮」 の辺りから宮町の大通りへと続く街路に、鮮やかに黄色く色づいていたプラタナス ( すずかけの木 )も、見るも無残な痛々しい姿となってしまっている。
市内には、只一箇所だけ 「銀杏並木」 の残っている場所があるが、市民の出入りの出来にくい 「神宮司廳領頒部第二奉製所」 ( 宇治館町 ) のゲートを入った内部道路で、その入口から 100m 程、黄色一色の見事な銀杏の並木路 ( みち ) が続いている。
昨今は色づいた楓やもみじ、桜、銀杏、ポプラ等の並木は、市街地では殆ど見られなくなったし、漆やナナカマド、ナンテンの実、カラス瓜、アケビ、蔦等の灌木や蔓草のブッシュ ( 藪 ) も、少し近郊に出ないと眺められなくなった。
晩秋の色とりどりの紅葉の立木やブッシュを眺めながら、そっと散策を楽しめるような小径は、県営の 「大仏山公園」 ( 伊勢市小俣町 ~ 玉城町・明和町 ) ぐらいしか無くなってしまったのが、今の伊勢市の現状である。
ハイテク化が進む時代の進行に合わせた、町街地のインフラ等の整備は大変結構な事だが、「伊勢の町」 が歴史や文学、芸術、スポーツ等の振興・奨励都市であるだけに、四季折々の風情を感じさせなくなった晩秋の並木路の殺風景には、昭和時代を長く過ごしてきた者にとっては、一抹の寂しさを禁じえず、都市整備の行政に対して残念な気がしてならない。
( ※ 掲載写真5枚は、2020年11月24日に撮影を致しました。 )