伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

真夏日のさ中、小萩川の渓流に「涼」を求めて

2015年08月09日 | 随筆・雑感・回想など

一之瀬川架かる栗原橋下の水遊びの風景

 七月末から八月に入っても、1週間ほど暑さのせいか熟睡出来ずに、度重なる睡眠不足が祟って、ここ1~2年は治まっていた「めまい症」が再発した。
 午睡(ひるね)の時に、寝返りをうったとたんに天井が回り出した。起き上がって暫くじっとしていたら治まった。少しふわふわ感はあるものの、歩くことも作業をする事も普通に出来たが、横に臥すと又同じ状態になるので、即、近くのかかりつけの耳鼻科に行った。

 以前の「めまい症」とは、少し違った感じであるが、寝汗はかくし、頻尿にみまわれるし、喉の渇きのひどさもかなり異常で、微熱もあるようだ。血圧も上がっているに違いない。毎日高血圧症の薬を服用しているのだが…。
 診察をして頂いた結果、幾つかのタイプがある「めまい症」の内、今回のは「良性発作性頭位めまい症」だと診断された。原因は内耳にある「耳石器」の耳石がはがれ、三半規管の中に入り込んでしまう事で発症するのだと、丁寧に説明して下さった。2~3日経てば治まるとも…。少し自律神経も失調ぎみであるようだ。

 耳鼻科の経営する調剤薬局の待合室にある血圧測定装置で、測ってみたら H=168、L=96 とかなり高かったので、この後さらに、かかりつけの眼科に行って目の検査をして頂いた。視力、眼圧、眼底撮影、MRI 等の検査の結果、眼球内の出血も無く、視力も視野も特に悪化はしていなかった。右目の眼球に原因不明の傷があるので、眼球内に時折り出血が生じ、髪の毛状の黒線がうろついたり、視野がかすんでしまう持病をかかえている。
 止血剤は毎日服用しているが、高血圧症と供に言わば爆弾を抱えての生活である。他は何とも無く若い時分のままであると思っているのだが、加齢から来る老化へのカウント・ダウンは否めない。


小萩川支流の「瀧ヶ谷」の渓流

 この「めまい」が治まったら、是が非でも涼しい水場へ行こうと、立秋で大安の8月の8日、今夏初めて小萩川の渓流(一之瀬川の支流)に分け入った。人っ子一人いない濃緑(こみどり)の林道を走り、谷間の鬱蒼とした渓流に降り立った。
 ここは、小萩川のさらに支流の瀧ヶ谷で、観音寺の跡らしい渓流沿いの小広いスペースには、注連縄のかかった大きな石が鎮座している。やや朽ちかけた古びた注連縄を巻いた巨石は、丈約2m、幅もそのぐらいはある。石面は苔むしてはいるが、俗に言う千枚チャートか石英片岩のようである。
 時折り訪れる人があるとみえ、道端にゴミ篭が置いてあった。

「瀧ヶ谷」の入り口に鎮座している巨石

 周囲一帯は杉や檜の山林で、昼下がりの木洩れ陽がまぶし青空のもと、渓流のせせらぎだけがひときわ大きく響きわたる中、ここかしこでヒグラシが小気味良く鳴き競っている。
 こんな誰一人いない人気の無い山中(さんちゅう)に、ただ独り渓流を飛び伝って石を見ては、清流で顔を洗い、清水に浸した手ぬぐいで汗を拭っては「涼感」を満喫し、そして写真を撮る…。他人には解らない無類の喜びを感じるひと時である。
 さらに形状の良いこれはと言う程の水石が一石でもあれば、別の意味で、又めまい症が再発しそうであったが、残念ながらこの渓流には、そのような鑑賞に値する転石は皆無であった。

瀧ヶ谷の小滝の一つ


 この日は、余り無理はせずに少しだけ川歩きをしたが、小滝の連なるこの瀧ヶ谷にも、複数の砂防ダムがあり、自然美が妨げられているのが、少し残念ではあった。



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