伊勢すずめのすずろある記

伊勢雀の漫歩…。
 伊勢の山々から志摩の海までの、自然史スポット&とっておき情報など…。
  感性の趣くままに-。

春先に思う事 ~ 日本の春の天気

2013年03月05日 | 随筆・雑感・回想など
Okushima_kozema_yabutubaki

 今年も、一月、二月と、多少の体調不良はあったものの、何とか冬場を凌げたようだ。しかし、三月に入って、24節気のひとつである啓蟄(冬篭りの地下の虫戸も開く季節の義 = 虫たちが這い出て来る頃)を迎えても、まだ外気は冷たく、北海道では記録的な暴風雪にみまわれ、凍死者も何人か出た始末・・・。 先日来の寒波を伴う低気圧の発達は、全くの台風並みで、厳冬さながらであった。今暫くは、西高東低の気圧配置が緩む気配は無さそうだ。 今年も又、神榮館藏版の「高島暦」を買った。世相も政界も異常であれば、地球の大気までもが狂い、季節がズレてしまったかのように思われる。 それに加えて、地殻変動も活発化しているようで、日本列島のみならず、環太平洋地域のプレートの動きに起因する地震・火山・マグマの活動なども、すこぶるおかしく思われる・・・。間もなく、関東・東日本大震災から2周年になる。 我輩の今年の運勢は、「磁力動力運」とある。説明書きの冒頭には、「今年は磁石の陽極と陰極が引き合って動力を発揮する様な運命の年」との事・・・。あとは例年の如き占いの講釈文が続くが、ラストの括りには「・・・和して同せずの心組みも肝要の年」と、無難な格言名句を選んでいる。全くの白丸ではないが、三日月(みかづき)程の黒塗りがあって、中吉ぐらいかと思う。 だが、三月は毎年のように厄月で、今回も、「昨日の淵は今日の瀬となる運か」とあって、どうもいけない。水の流れに例えるならば、内面的にも外面的にも、昨日までは深々と穏やかだった水が、急に勢いよく流れ出し、川床や川岸の岩々の抵抗を受けながら、右往左往しつつ曲流なって流動するようなものだ。 かといって、何もせずに閉じ籠もってばかりはいられない。「奈良の水採り」や彼岸(春分)が過ぎれば、ホカホカとした春の陽射しが降り注ぎ、菜の花や桜花の季節に移行してゆく。このまま大異変も大過もなく、無事に三月が過ぎるのをそっと祈る次第だ。 さて、春先のこの春寒料峭の候に、日本の春の天気のおさらいをしておこう。 春 ・・・ 春の天気は、揚子江(長江)中流域から東に張り出してきた高気圧が、移動性となって日本列島を包み込む形の「移動性高気圧」と、東シナ海で発生する「温帯低気圧」が交互に日本を通過する為、穏やかな好天とくずついた悪天候が3~4日の周期で繰り返される。 最後に、歳時記などによく使われるこの季節の用語を拾い出してみると、以下のとおりだ。  ? 春一番 春寒料峭 三寒四温 寒の戻り 花冷え 花曇り 春時雨   春雨 五月雨 翠雨 なたね梅雨 五月晴れ 梅雨の走り 晩霜   春雷 卯の花腐たし 又、24節気や雑節などを見ると、春季については、  ? 啓蟄 春分 清明 穀雨 立夏 小満 (以上、節気)  ? 上巳の節句(じょうしのせっく。雛祭り) 社日 八十八夜   端午の節句(子供の日) みどりの日 (以上、雑節)

Okushima_kozemanohama




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古い絵葉書に見る、伊勢志摩の名所風景

2013年03月01日 | 伊勢志摩国立公園の自然と風物
Toba_sinjutou

 伊勢志摩は、志摩半島北半の複雑なリアス式海岸や多島海(鳥羽湾)と、隆起海食台より成る有湾台地の樹枝状の入江(英虞湾とその周辺)が、背後の濃緑(こみどり)の壮年期山地と共に、一体となって自然美を折り成す、風光明媚な海の国立公園である。
Gekuumae
 この自然公園には、伊勢神宮があり、伊勢市の前身である神都・宇治山田市までは、明治期より順次鉄道が整備され、多くの参詣者や観光客を運んだ。その後は国鉄が鳥羽まで延長され、又、鳥羽からは南志摩の拠点の鵜方、賢島(志摩市阿児町)へと、ローカル電車(通称、志摩電)が通じた。
Sanguusenno_sl
 鉄道が開通すれば、まず主な停留所の駅前が整備される。そして次第に旅館や商店が出来、付近一帯の景勝地や名所・旧跡、名物などがクローズアップされ、当地への旅客を誘い、旅行者の関心を惹き付けたのは言うまでもない。 中には商店街やメインストリートさえ出来た町もあった。むろん戦前の話である。
Futamidouri
 昔と今では、交通事情も道路網も大きく異なっているが、鉄道の駅から遠くはなれた志摩地方の農漁村は、かつては幹線道路もバス一台がやっと通るだけの、未舗装のガタガタ道であった。今は、旧来の狭い国道も二車線に拡幅整備され、バイパス道路や農免路道なども出来て、たくさんあった巡航船の航路に代わって、自動車主流の時代となっている。 
Nakirigyokou
 現行の航路は、鳥羽湾の三つの離島と神島への市営船と、的矢湾の唯一の離島・渡鹿野島、並びに英虞湾の賢島 ~ 間崎(離島) ~ 先志摩(和具・御座)への巡航船だけで、幾つかの漁村をつないでいた海上輸送の航路は、昭和の半ばを境に全て無くなった。
Tobaeki
 伊勢志摩で大きく変わった風景は、まず旧国鉄や私鉄の終点やターミナル駅の駅前であろう。そして貨客船の発着港や漁港、市街地の町並みなども、戦前と戦後では大きく変わった所が少なくない。中には、戦後は全く失われてしまった鉄道や名所も数多くあり、そんなかつての懐かしい風景を、古い絵葉書から選り出してみた次第だ。
Yuubinkyoumae
 一枚一枚の古い絵葉書に見る風景は、レトロなノスタルジーの絵世界でしかないが、そこには、発展途上だった頃の不便さを映しながらも、今ほどに環境を破壊する事のなかった、何かしら素朴な良さが顧られはしないだろうか・・・。


Takeden



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