11月に入ってここ3日間、秋を実感出来るような好天が続いた。11月3日は「文化の日」である。この秋日和(あきびより)の祭日に引き籠っている事は無い。朝からコンパクトカメラ(デジカメ)を手に、秋の風景を撮りに度会町へと車を走らせた。
宮川右岸の県道22号(伊勢-南島線)を、棚橋手前の川口の交差点まで走って、さらに支流の一之瀬川の左岸を度会町の奥へと遡る。
いつもなら、水石目当てに各所で川原に降りるのだが、この日は秋の田舎の風景写真に専念すべく、南中村まで20分ほど走った。
南中村からは、分岐して大紀町に至る県道151号(度会-大宮線)に入る。少し走ると「乙女岩」のある川上の村落に至る。これから先は藤越えの山路となるが、県道とは名前ばかりで林道さながらの細道である。
ここまで来ると、空気も爽やかだし水も清らかである。とにかく秋らしい田舎の風景を求めて、林道の分岐する落合橋まで入り、ここでUターンをする事にした。
植林された山林に降り注ぐ木漏れ日が、虎縞のように明暗となってフロントガラスに当たる。行きに見ておいた柿の木の所で車を止めて、数枚シャッターを切った。逆光であるが、感じの良い里山の田舎の風景が写し出された。
昼までにかなり時間があったので、県道を棚橋まで引き返し、秋の風物詩であるコスモス畑を見に、玉城町の「アスピア玉城」(アグリの里)へと向かった。
ここには、鉱泉を沸している「玉城弘法温泉」と地場産物を販売している直売店があり、ちょっとした憩いの場となっている。
文化の日と言っても、特に文化的な生活をする訳でもなく、日常のままであるが、気持ちの上で一息つきたかった次第だ。
帰りには宮川右岸(御園町)にある、土手下の木立を縫うリバーサイドの散策路に降りてみた。
車をそろりそろりと動かしながら、秋らしい自然の風景を求めてみたが、落葉樹はほんのわずかに色づいているだけで、道端のセイタカアワダチ草とススキの穂が、少し小寒いような秋風にそよいでいるだけであった。