2月から3月にかけては、温帯低気圧の通過と移動性高気圧の張り出しで、 「三寒四温」 を繰り返しながら、3月もいよいよラストとなった。 今年の 「弥生」 は、比較的雨天が多く、桜の開花がやや早まった感があり、自宅裏の勢田川沿道の桜も中頃には開花をした。
かつては桜の木々は、メイン道路の街路樹をはじめ、市街地の至る所にあって、花見をする市民の目を楽しませていたが、今は殆どが断ち切られるか、巨木や老木は枝払いをされ、数少なくなってしまった。
伊勢市の市街地の 「桜の名所」 と言えば、昔ながらの 「宮川堤」 が第一であり、他には倉田山の 「徴古館」 や 「五十鈴公園」 、 「檜尻川左岸」 ( 船江3丁目の土手道沿い ) 、 「豊宮崎文庫跡」 、そして 「牛谷坂」 の数本の桜の木立ちぐらいである。
町街地以外では、二見町の 「音無山」 や 「三郷山」 ( 辻久留3丁目 ~ 二俣町 ) 、横輪町の 「風輪」 界隈の 「横輪桜」 など、数ヶ所が掲げられる。
この桜のシーズンにフィットした鑑賞石と言えば、以前にも紹介したと思うが、京都市亀岡市原産の 「桜石」 ( 紋様石 ~ ホルンフェルス中の菫青石の仮晶 ) があるが、ピンク色のきれいな水石としては、何と言っても 「桜マンガン石」 であろう。
この水石の原石は、全国各地のマンガン鉱山などから比較的多産する、菱マンガン鉱やバラ輝石等のマンガン鉱物 ( 鉱石 ) であるが、伊勢市近郊では奥伊勢の栗原鉱山跡 ( 度会郡度会町栗原 ) で産し、以前はかなりきれいな菱マンガン鉱がたくさん採集出来た。
その鉱石を、観賞用の 「桜マンガン石」 に研磨をしたり、カボション・カットなど、貴石の 「インカ ・ ローズ」 に准ずる美石にも加工出来たが、昨今は現地に行っても殆ど採集出来なくなった。
今回は、コロナウイルス蔓延下での感染防止対策から、あまり外出する事がなかったので、春にちなんで 「桜」 の事を少し書いてみた次第である。