
桜のシーズンが瞬く間に終わり、春暖の4月もラストとなってしまった。 今月も何処へも出かけずじまいのままに過ぎてしまった。 月末の連休には、天気が良ければ久しぶりに志摩の海岸に行こうと思っていた処、29日と30日の土曜・日曜ともにあいにくの雨天であった。
この4月に自宅で成した事と言えば、販売用のミニサイズの鉱物標本の製作と、先月に続いての中~大型の観賞用の水石の再吟味である。
以下に掲載の画像3点は、先月のブログの続きになります。
1.栗原鉱山跡産の「桜マンガン石」 左右の最長幅約17cm、重さ約1.9kg
数年前に現地で採集し、その後保存していた「菱マンガン鉱」の大塊を勝ち破って整形し、観賞用に研磨をしようとしていた原石です。 結局磨かずじまいのままに、桜のシーズンが過ぎてしまい、来年までの課題として保存する事にしました。 今春研磨したこの種の原石は、冒頭に掲載したような小形水石ばかりで、観賞用の「置物石」として10個程製作をし、全て出荷を致しました。
2.山水景を呈する横長の「紫雲石の遠山石」 左右の最長幅約25cm、重さ約1.34kg
長期間ダンボール箱に仕舞い込んでいた彦山川 ( 度会郡度会町火打石 ) 産の荒石ですが、底面を程良くカットし、表面の風化被殻を削ぎ落として、原形のまま艶消し研磨をし、仮台に据えてみました。 前面の中央左寄りにくびれ気味の大きな穿ちがあり、右サイドにも枯れ滝風の穿ちがあって、時間をかけて艶出し研磨をすれば、鑑賞用の名石になるかと思います。
3.藤川上流支流産の鎧石系珪質岩の「横長の岩山形の山水景石」 左右の最長幅約33cm、重さ約3.2kg
平成年代の半ば頃に、藤川 ( 度会郡大紀町藤 ~ 木屋 ) の探石行で、上流支流の谷川にて揚石をし、そのままずっとダンボール箱に仕舞い込んでいた現地性の大型水石です。 殆ど未風化のゴツゴツとした鎧石系の珪質岩 ( 主に白チャート・表面は茶褐色に変質・変色 )ですが、節理群の一部には方解石の細脈が程よく貫入し、ほぼ定高性の「遠山石」( 岩山形 ) となっています。 風化の進行によっては「伊勢古谷石」にもなる良質石です。
底面を程良くカットし、自然石 ( 転石 ) のまま仮台に据えてみました処、かなりの名石になりました。
これから先も、蒐集した鑑賞用の所蔵水石の中から、見応えのある佳石を再吟味し、画像にて幾つか紹介をしたいと思います。