
2月に入って、通院先の病院で感染して来たのか、風邪をこじらせ体調不良に見舞われた。 春先になると、毎年のように風邪をひき、喉と気管支を痛め、いつもなら風邪薬の投薬で4日~5日経てば治まるのだが、今回は体温はずっと平熱なのに、咳と痰が治まらずに近所の耳鼻科に行って診察を受け、処方薬をもらって来たが、食欲も減退し1週間程寝込んでしまった。 その後も体調不良のまま食材等の買い物も、割高を覚悟の上で、至近のコンビニで間に合わせながら、気が付けば3週間も寝起きに終始していた。
2月になると、いつも座右に飾る「梅林石」も、今冬は探石どころではなく、寒さのせいもあり室内に引き籠もながら、身体の回復を最優先に生活し、下旬となった21日になって、ようやく動けるようになった。 この日は1日中曇天で、溜まっていた洗濯物の始末やら炊事で、丸1日が過ぎたが、暫く気ままに屋外に出られずに過ごしていたので、ストレスは溜まる一方であった。
3連休初日の2月22日は、朝からよく晴れた冬日和となった。 天気予報では、三重県の南部にも寒波の再来で雪雲がかかるとの事であったが、西風が少し冷たい程度で、伊勢市内は春先さながらの日差しが眩しいばかりに降り注いでいた。
半月(はんつき)程寝込んでいた反動もあり、これならば少し市外に行けるなと思い、早速二見浦(ふたみがうら)の江海岸にまで車を走らせた。 防波堤の階段口から突堤に下りる石段にひと足踏み出した処、強烈な海風にあおられた。 伊勢湾を通り道に流れる北西からの寒気流が吹き荒れ、磯波も海鳴りとなって押し寄せ、海浜には近づけそうもない。 即刻引き返したが、昼までは2時間以上あったので、風の弱い奥伊勢へと車を走らせ、一之瀬川の左岸の県道を遡り、「火打石」まで行った。
天祥橋を渡り、彦山川を遡る右岸の「火打石林道」を1kmばかり進み、車を止めて山林の草分け道を辿り、すぐ先の渓流へと降りた。 かつて幾つかの名石をゲットした場所である。 ここは川原と言うよりは、堆く転石の流れ積もった「石溜り」である。 右脚にシビレ痛をかかえているので、この秘密のポイントへは3年程来ていなかったゆえ、石溜りの状況が一変していた。 僅か10分程の探石であったが、手持ちの布バケツには大きい目の「伊勢古谷石」2個と、小型の転石礫数個を拾い入れた。
帰りには、伊勢市上野町の横輪川の蛇紋岩地帯に立ち寄ってみた。 ここは過去に何度かブログで取り上げた場所であるが、川岸から川床にかけて、蛇紋岩(一部は蛇灰岩)の岩体が角閃岩や千枚岩などに貫入し、両岸に小高い残丘地形を形成している。 露頭には、半ば大理石化した大・小の方解石脈が複雑に貫入して入り組み、時にはきれいな「滝石」となって転がっている。 運が良ければきれいな「滑石」や「黄鉄鉱」「珪ニッケル鉱」などの鉱物も採集出来る。
立ち寄った甲斐があって、程良い標準サイズの「蛇紋岩の滝石」と、鑑賞出来そうな小物水石2個を見つけて持ち帰った。
右脚のシビレ痛も、朝飲んだ痛み止め薬が効を奏し、忘れていたかのように気にも負担にもならずに、探石を兼ねた久しぶりの気晴らしドライブは、思いのほか楽しく、寒さもさほど感じずに午前中で無事に済んだ。