三重県の青山高原から西方は、伊賀地方と呼称されているが、かつての阿山郡大山田村を中心に、各地に花崗岩ペグマタイトがあり、戦前から戦後にかけて珪石や長石の試・採掘が成されていた。 その主な鉱山跡や産地は以下の通りであるが、昭和年代には電気石や鉄礬石榴石、緑柱石等の美・巨晶が産し、全国的によく知られていたエリアである。
◆ 主な産地 ( 地名は、旧行政区画で記載 )
阿山郡大山田村三谷( 珪・長石試掘場跡 ) かつての緑柱石の主産地であるが、昭和30年代に完全に消滅。
阿山郡大山田村三谷「大栄鉱業採石場」 現在も稼行中の大規模なバラストの採石場で、切羽にはペグマタイトの岩脈が複数露出している。
阿山郡大山田村奥馬野「大地建設採石場」 現在も稼行中のバラストの採石場で、ペグマタイトの岩脈が僅かに露出している。
阿山郡大山田村中馬野( 珪・長石採掘場跡? ) 山林の奥に採石場のような露天掘りの跡があったが、今は杣道と共に完全に消滅。
阿山郡大山田村広瀬( 珪・長石採掘場跡 ) 広瀬の村落背後の山林にあり、林道際の斜面にペグマタイトのズリが残存。
阿山郡大山田村子延( ねのぶ・珪石採掘場跡 ) 子延の在所の北方約3kmの山中にあったが、現在は跡地も完全に消滅。
阿山郡青山町奥鹿野・奥山谷( 山林斜面の露頭 ) かつてはサファイアの微粒を伴う珪線石や紅柱石が多産したが、現地は完全に埋没。
上野市上友生( 珪石鉱山跡 ) ペグマタイト質石英脈を露天掘りで採掘。山上の跡地には無色透明のきれいな水晶の小晶が散乱。
名張市上比奈知( 珪長石採掘場跡 ) 水晶の産地として、地元民にはよく知られた場所であったが、ダム工事で消滅。
以上の他、近鉄電車の旧「あお駅」( 現在の青山町駅 ) の北方に、かつて「水晶山」と呼称していた水晶の産地があったが、宅地の造成開発で昭和40年代に既に消滅し、当時採集を試みたがカラ振りに終わった。
◆ 産出鉱物
石英( 水晶 )、バラ石英、玉髄、玉滴石、緑柱石、電気石、カリ長石、鉄雲母、黒雲母、白雲母、絹雲母、霰石、方解石、鉄礬石榴石、ジルコン(文献上の鉱物種)、ユークセン石(文献上の鉱物種)、褐簾石(文献上の鉱物種)、トルゴム石(文献上の鉱物種)、黄鉄鉱、褐鉄鉱
各地の現状は、久しく出向いていないので不明であるが、広瀬の採石場跡ではかなりの収穫があった。 現在も稼行中の三谷の採石場には、平成15年の夏に地学部会の巡検で採集に行ったきりである。 その当時は、黒墨色の電氣石と薄いピンクのバラ石英が多産していた。
当地の幻の鉱物である「緑柱石」は、この時は見つからず、以前に広瀬のズリで5mm程の細かな結晶を1つだけ採集したのみである。
最新の画像[もっと見る]
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 「神無月」の最後になって、少しだけ横輪川の川原にて歩行のリハビリを試みた。 6日前
- 9月もラスト、真夏日のような残暑の続いていた日々も、彼岸を過ぎてから少しずつ秋らしくなった。今月も資料物の整理に終始 …。 1ヶ月前
- 9月もラスト、真夏日のような残暑の続いていた日々も、彼岸を過ぎてから少しずつ秋らしくなった。今月も資料物の整理に終始 …。 1ヶ月前