日本全国の観光地の中には、山岳や高原、火山、温泉、渓谷、湖、海岸などの景勝地の他、奇岩・怪石や滝、洞窟(鍾乳洞、溶岩トンネル、海食洞)、砂丘などと供に、大規模な鉱山跡等も観光資源として整備されるに及び、ローカルカラーの違いはあるにせよ、地学的な名所や史跡が少なくない。 三重県には、リアス式海岸の伊勢志摩国立公園の他、鈴鹿山脈の山々や渓谷、湯の山温泉をはじめ、青山高原、榊原温泉、赤目四十八滝・香落谷、熊野の鬼ヶ城・七里御浜、宮川貯水池・大杉谷、瀞八丁・瀞峡、紀州鉱山跡等が主な観光地となっている。 これらの観光地の中には、当地に産する石を使った観光土産品があり、石細工の工芸品や置物、アクセサリー等ともに、地方色豊かなコケシや人形、ストーン・ペインティングの施された商品として販売されている。 主な材料は、水晶(石英)、瑪瑙、玉髄、碧玉、鍾乳石、大理石(石灰岩)、翡翠、琥珀、黒曜石などであるが、他に海岸の小石(漂礫)や溶岩、那智黒石、化石(アンモナイト、木の葉石、珪化木、埋もれ木、他)なども使用されている。
全国的には、山梨県の昇仙峡の水晶原石を使った土産物品や、山口県の秋芳洞の鍾乳石・大理石(石灰岩)を材料にした土産物品等がよく知られている。 三重県には、熊野地方特産の著名な那智黒石があるが、当地の御浜小石(七里御浜のきれいな漂礫)も恰好の材料となっている。
どこの観光地に行ってもよく見られるのは、石灰岩を使った小さな石灯籠や、石の灰皿、コースター、それにストラップや卵型の石球である。 日本は、北から南まで石灰岩の多産する国であるが、各地にオープンの鉱山跡遊園地(マインランド等)に行けば、そこにしか無い珍しい鉱石を使った観光土産品に出会うかも知れない。