3年目漕手の川崎千里です。
春遠征はついに最終日となり、全行程を終えました。
私は今回エイトに乗っていましたが、考えてみれば一年生とちゃんとクルーを組むのはほとんど初めてだったんじゃないかと思います。一年生を勝手に評価すると、”素質大いにあり、でも粗削り”という印象でした。
いや、私に比べて一年生の成長度はかなり高いです。むしろ、漕歴一年未満の漕手には当然に難解である”漕ぎの解像度”を高める機会として春遠征が上手く機能すればいいなぁという考えでした。
しかし遠征が終わった今では、一年生一人一人にもっと注力したかったという感想です。乗艇時間が決められている中、8人という大人数でコミュニケーションをとることはかなり難しかった。技術的な課題より、クルーづくりの課題の方が今は大きい気がします。
よく聞く話として、クルーを編成した時点で大会で残せる結果はある程度予想がつくというものがあります。クルーはより完成度の高いユニフォーミティを確立させることが最優先事項であり、個人の課題に時間を割いている暇はない。だからクルーを組む前に癖のないいい漕ぎをできるようにならなければいけない。だいたいこんな意図でしょうか。
特に8+なんてクルーボートの極みたいな艇種なので、ユニフォーミティを目指すのは当然ではありましたが、一人一人ともっと漕ぎの話をしたいなぁと感じていました。
とはいえ陸トレ続きで鈍った乗艇感覚を戻すことは出来ているはずなので、シーズンが始まれば後輩捕まえて小艇をぶん回したいと思います。
個人的には、久しぶりに漕げて本当に楽しかったです。蹴り出したあとはボートのことを考えるしかないあの時間は、やるべき事が明白になって心が軽くなったような感覚があります。艇の進みがたまに良くなるときのあの気持ちを得られるなら、あと半年は頑張れるかなと思います。
でもラストイヤーの身となった今では、もっとピリピリしていきたいですね。私の若さという名のエネルギーが、人生という名のアリーナに吸収されてしまう前に。