(1)電気料金値上げ
消費増税がなくとも、電気料金は値上がりしている。東京都民の場合、昨年9月に実施された平均8.46%の値上げに加え、燃料費調整制度(火力発電用燃料の輸入価格の変動に応じて電気料金を調整する仕組み)による料金上乗せが負担増となっている。
<例>3人世帯(男性45歳・専業主婦・子)で、8月分(エアコンを使いっぱなしだった猛暑の夏)は17,986円(前年より4,000円超も増加)。しかも、調整分が1,184円加わる。
(2)インフレ
電気料金はすでに値上がりしている。小麦粉やパンに続いて、この秋、牛乳も値上げされる。
ヤクルトも、11月4日から、1本(65ミリリットル)当たり5円値上げされ、40円になる(税別)。容器に使われている石油樹脂など原材料価格の高騰が理由だ。
豆腐も値上げされそうな気配。大豆価格の上昇のために。
清酒最大手の白鶴酒造も、10月から日本酒の値上げに踏み切る。
来春に消費税が3%引き上げられ、さらに日本銀行がめざしている2%のインフレになれば、消費者は5%分を追加で負担することになる。
(3)総務省の「家計調査」
世帯主が40~49歳の場合の消費支出は29.1万円/月。うち、消費税分は1.4万円。
税率が10%(2015年10月)になった後も同じ消費支出を続けると、要する消費税は2.8万円/月(1.4万円増)。年間で16.6万円の負担増となる。
支出総額を増税前と同じにするには、1.3万円/月(15.1万円/年)だけ生活水準を落とすしかない。
(4)モデル・ケース(消費税5%→10%)
(a)年収600万円 → 1ヵ月当たり約1万円増(年間約12万円増)
(b)年収700万円 → 1ヵ月当たり約1万円増(年間約12万円増)
(c)年収800万円 → 1ヵ月当たり約1.3万円増(年間約15.5万円増)
(5)賃上げ
年収500万円世帯(夫か妻の片働き、子ども2人の場合)、賃金が2%超上がらないと、現状と同じ実質可処分所得を維持できない。
安部政権は、法人減税や投資減税などを通じて企業に賃上げを促していく方針だが、企業のスタンスは慎重だ。
再来年までは賃金は上がらないだろう。【永濱利廣・第一生命経済研究所主席エコノミスト】
□記事「消費税アップ! 家計・景気はどうなる?」(「週刊ダイヤモンド」2013年10月5日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【消費税】増税5年後の苛酷な負担増 ~消費税の他にも負担増~」
「【消費税】増税の背後にある権力闘争 ~政権内部の抗争~」
「【経済】安部政権下、賃金が下がりつつある理由 ~スタグフレーション~」
「【消費税】第三の矢が折れる日 ~成長戦略破綻の構図~」
「【社会保障】医療、介護、年金・・・・怒濤の負担増 ~「後出し公約」~」
「【経済】円安による費用増はすでに政治的問題」
「【経済】ビジョン計画はあっても実行計画のないアベノミクス ~マネーゲームの誘発~」
「【経済】投機に翻弄される日本経済と金融市場」
「【経済】アベノミクスの金融緩和はデフレを脱却させない ~雇用が重要~」
「【経済】円安を止められなくなるリスク」
「【税】富裕層への増税を支持する富裕層」
「【選挙】小泉「改革」の悪夢は甦るのか ~「失われた20年」の元凶~」
「【選挙】負担に口をつぐむ各党 ~世代間移転~」
「【税】実質税負担率はトヨタ社長より庶民のほうが高い ~金持ち優遇~」
「【経済】金持ちに1%の富裕税を課せ ~消費税の2倍の税収~」
「【経済】年々減る給与、年々増える会社の貯金 ~企業の内部留保金300兆円~」
「【経済】税制が作った“富裕老人”400万人」
「【経済】消費税は失業者を増やす」
「【経済】「億万長者激増」の原因 ~税制~」
「【経済】「億万長者激増=景気低迷原因」説 ~日本に5万人の億万長者~」
消費増税がなくとも、電気料金は値上がりしている。東京都民の場合、昨年9月に実施された平均8.46%の値上げに加え、燃料費調整制度(火力発電用燃料の輸入価格の変動に応じて電気料金を調整する仕組み)による料金上乗せが負担増となっている。
<例>3人世帯(男性45歳・専業主婦・子)で、8月分(エアコンを使いっぱなしだった猛暑の夏)は17,986円(前年より4,000円超も増加)。しかも、調整分が1,184円加わる。
(2)インフレ
電気料金はすでに値上がりしている。小麦粉やパンに続いて、この秋、牛乳も値上げされる。
ヤクルトも、11月4日から、1本(65ミリリットル)当たり5円値上げされ、40円になる(税別)。容器に使われている石油樹脂など原材料価格の高騰が理由だ。
豆腐も値上げされそうな気配。大豆価格の上昇のために。
清酒最大手の白鶴酒造も、10月から日本酒の値上げに踏み切る。
来春に消費税が3%引き上げられ、さらに日本銀行がめざしている2%のインフレになれば、消費者は5%分を追加で負担することになる。
(3)総務省の「家計調査」
世帯主が40~49歳の場合の消費支出は29.1万円/月。うち、消費税分は1.4万円。
税率が10%(2015年10月)になった後も同じ消費支出を続けると、要する消費税は2.8万円/月(1.4万円増)。年間で16.6万円の負担増となる。
支出総額を増税前と同じにするには、1.3万円/月(15.1万円/年)だけ生活水準を落とすしかない。
(4)モデル・ケース(消費税5%→10%)
(a)年収600万円 → 1ヵ月当たり約1万円増(年間約12万円増)
(b)年収700万円 → 1ヵ月当たり約1万円増(年間約12万円増)
(c)年収800万円 → 1ヵ月当たり約1.3万円増(年間約15.5万円増)
(5)賃上げ
年収500万円世帯(夫か妻の片働き、子ども2人の場合)、賃金が2%超上がらないと、現状と同じ実質可処分所得を維持できない。
安部政権は、法人減税や投資減税などを通じて企業に賃上げを促していく方針だが、企業のスタンスは慎重だ。
再来年までは賃金は上がらないだろう。【永濱利廣・第一生命経済研究所主席エコノミスト】
□記事「消費税アップ! 家計・景気はどうなる?」(「週刊ダイヤモンド」2013年10月5日号)
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「【消費税】増税5年後の苛酷な負担増 ~消費税の他にも負担増~」
「【消費税】増税の背後にある権力闘争 ~政権内部の抗争~」
「【経済】安部政権下、賃金が下がりつつある理由 ~スタグフレーション~」
「【消費税】第三の矢が折れる日 ~成長戦略破綻の構図~」
「【社会保障】医療、介護、年金・・・・怒濤の負担増 ~「後出し公約」~」
「【経済】円安による費用増はすでに政治的問題」
「【経済】ビジョン計画はあっても実行計画のないアベノミクス ~マネーゲームの誘発~」
「【経済】投機に翻弄される日本経済と金融市場」
「【経済】アベノミクスの金融緩和はデフレを脱却させない ~雇用が重要~」
「【経済】円安を止められなくなるリスク」
「【税】富裕層への増税を支持する富裕層」
「【選挙】小泉「改革」の悪夢は甦るのか ~「失われた20年」の元凶~」
「【選挙】負担に口をつぐむ各党 ~世代間移転~」
「【税】実質税負担率はトヨタ社長より庶民のほうが高い ~金持ち優遇~」
「【経済】金持ちに1%の富裕税を課せ ~消費税の2倍の税収~」
「【経済】年々減る給与、年々増える会社の貯金 ~企業の内部留保金300兆円~」
「【経済】税制が作った“富裕老人”400万人」
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「【経済】「億万長者激増=景気低迷原因」説 ~日本に5万人の億万長者~」