お寺のオバサンのひとりごと

心のマッサージにお寺へ行こう!

幼子とお寺のオバサン

2008年09月05日 | Weblog
 5月のある日(住職がまだ入院中の頃)、大きな団地にお住まいのご門徒さんが亡くなられ、私が枕経に伺った時のこと。
 
 何番目の棟で、どこに駐車したらいいか 電話で教えていただき、無事、到着したものの・・・「あれ~ ○号棟は、どれだろう

 団地内で遊んでいる子ども達に、声をかけ、○号棟を教えてもらった。(言われてみれば、ちゃんと、棟の側面に大きくナンバーが書いてあった・・・

 その時、私は、お坊さんのユニフォーム姿だったのだけど、まだ幼稚園か小学校低学年の子ども達は「お坊さん」という存在を知らないようで、
 「おばちゃん、どこに行くの
 「ここのおじちゃんが亡くなられたので、お参りに来たの」
 「ナクナラレタ(亡くなられた)の?」とたどたどしくオウム返し・・・意味がわからなかったようなので、
 「おじちゃんが死んじゃったの」
 「おじちゃん、死んじゃったの 殺されたの
 
 おいおい、サスペンスの見過ぎか・・・と突っ込みたくなるが、ドラマじゃなくても、現実、ニュースで頻繁に殺人の報道を目にするのだから・・・と、思う。と同時に、小さな子だから、当たり前だが、子ども達にとって「死ぬ」ってことは特殊なことで、「殺されでもしない限り、死ぬことはない」と思っていても仕方ない・・・とも思い直す。
 「おじちゃん、殺されたんじゃなくて、病気で死んじゃったの」と私。
 「ビョウキで死んじゃったの」と幼女。
 「そう、だから、今からお参り行くの。おばちゃんはお寺から来たのよ」
 幼女は、「お寺」と聞いても???だったが、私の念珠を見て・・・それは、見たことがあったらしく、念珠を指して
「それで、お参りするの」と言った。

 
 臨終勤行(枕経)を終えて、駐車場に向かう時、まだ幼児達は遊んでいた。
 「おじちゃんのお部屋、わかった」と私に声をかけてくれた。
 私は、お礼の言葉と共に、「お怪我しないように、気をつけてね~」と言い、お互い「バイバイ」と手を振った。

 
 
  
コメント (2)
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